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トヨタやファナックも使っている“組み込みAI”が「Pascal」世代に進化組み込み開発ニュース(1/2 ページ)

NVIDIAは、AI(人工知能)などに用いるGPUコンピューティングが可能な組み込み開発ボードの新製品「Jetson TX2」を発表した。最新のGPUアーキテクチャ「Pascal」の採用により、現行品の「Jetson TX1」と比べて2倍の処理性能もしくは2倍の電力効率を実現している。

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NVIDIAのGPUコンピューティングが可能な組み込み開発ボードの新製品「Jetson TX2」
NVIDIAのGPUコンピューティングが可能な組み込み開発ボードの新製品「Jetson TX2」。外観は現行品の「Jetson TX1」とほぼ同じだ(クリックで拡大) 出典:NVIDIA

 NVIDIAは2017年3月7日(現地時間)、AI(人工知能)などに用いるGPUコンピューティングが可能な組み込み開発ボードの新製品「Jetson TX2」を発表した。2015年11月に発表した現行品の「Jetson TX1」と比べて、2倍の処理性能もしくは2倍の電力効率を実現できる。「エッジ側におけるAIコンピューティングを実現し、強力にインテリジェントな工場用ロボット、商用ドローン、AIシティー向けスマートカメラなどを可能にする」(同社)という。

 Jetson TX2は、現時点で最新となるNVIDIAのGPUアーキテクチャ「Pascal」を用いたプロセッサを搭載している。Jetson TX1は前世代のGPUアーキテクチャ「Maxwell」を採用していた。CUDAコアの数は256個で同じである。

 CPUは、4個の「Cortex-A57」に加えて、より高性能なARMv8-Aアーキテクチャベースの「Denver 2」を2個搭載している。メモリも、64ビットLPDDR4を4Gビットから、128ビットLPDDR4を8Gビットに変更。ストレージも16GBから32GBとなった。

 その一方でボードサイズ(量産ボード)はJetson TX1と同じく、クレジットカードサイズの50×87mmとした。ボードの接続端子もJetson TX1と互換性があるので、Jetson TX1をJetson TX2に置き換えて開発をそのまま継続することも可能だ。

「Jetson TX2」と「Jetson TX1」の性能比較
「Jetson TX2」と「Jetson TX1」の性能比較(クリックで拡大) 出典:NVIDIA

 Jetson TX2は2つの動作モードを選択できる。1つは電力効率を重視する「MAX-Q」で、Jetson TX1と比べて最大2倍の電力効率を実現できる。Jetson TX1の消費電力が10W弱とされていたのに対して、7.5W以下になるという。もう1つは処理性能を重視する「MAX-P」で、Jetson TX1と比べて処理性能が最大2倍になる。ただし消費電力は15W以下になるとしている。

「Jetson TX2」は2つの動作モードを選択できる
「Jetson TX2」は2つの動作モードを選択できる(クリックで拡大) 出典:NVIDIA

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