データが武器のエコラン大会「プリウス・チャレンジ」、トップは89.7km/l:エコカー技術
トヨタ自動車の米国研究拠点であるToyota Research Instituteは2017年3月3日、米国カリフォルニア州のソノマ・レースウェイで「プリウス・チャレンジ」を開催した。最も燃費が良かったチーム(Best MPG award)は、211MPG(約89.7km/l)だった。
トヨタ自動車の米国研究拠点であるToyota Research Institute(TRI)は2017年3月3日、米国カリフォルニア州のソノマ・レースウェイで「プリウス・チャレンジ」を開催した。TRIのツイッターアカウントによれば、最も燃費が良かったチーム(Best MPG award)は、211MPG(約89.7km/l)だった。
プリウスチャレンジは、制限時間内にプリウスの燃費を競う大会。運転技術だけでなくデータの分析やシミュレーションも重視される。日本で企画、スタートしたイベントだ。これまではトヨタ自動車の従業員や販売店しか参加できなかったが、今回はカリフォルニア州居住で運転免許を持つ21歳以上が参加できるようになった。
プリウス・チャレンジの会場では、第2世代となる自動運転の実験車両も公開した。
シリコンバレーのエンジニアも集まるサーキットイベント
プリウスの現行モデルのEPA燃費は、エコグレードの場合、市街地で58MPG(約24.6km/l)、高速道路で53MPG(約22.5km/l)となっている。JC08モード燃費は40.8km/l(約96.0MPG)だ。今回の最優秀チームは、日米のカタログ燃費をはるかに上回る燃費値をたたき出した。
今回はサーキットでの競技だけでなく、シリコンバレーにいるモビリティ、データサイエンス、人工知能、ロボット工学の専門家と参加者の交流や、プロドライバーの運転で高性能モデルに試乗する機会も設けられた。
プリウス・チャレンジにはパートナー企業も参加した。1社はHyperdriveという、過去のTRIの年次イベントの優勝者が立ちあげたスタートアップ企業だ。プリウス・チャレンジの参加者の遠隔測定データを追跡し、レース中にパフォーマンスを最適化するアプリケーションを提供。また、もう1社のOpen Source Roboticsは、参加者が仮想プログラムを通じて運転を戦略化できる運転シミュレーターを提供した。
新しい実験車両はセンサーの付け替えに対応
プリウス・チャレンジの会場で披露した実験車両は、2013年のCESで披露したモデルの改良版となる。TRIのこれまでの自動運転研究の成果を盛り込んだとしている。ドライバーの運転習慣を学習するとともに、収集したデータやコネクテッド技術によって他の車両から共有された情報を活用して賢くなるという。この実験車両は高度運転支援を行う「ガーディアン」、完全自動運転の「ショーファー」の研究開発に活用していく。
ベース車両はレクサス「LS600hL」で、ドライブ・バイ・ワイヤ技術のインタフェースを搭載するとともに、センサーの付け替えなど柔軟に改良を行えるようにした。高い演算能力、マシンビジョンや機械学習能力も強化している。自動運転用の高精度地図がない地域での走行も想定し、地図データに過度に依存しないためにライダー、レーダー、カメラなどセンサーも充実させている。
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