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レーザーによる粒子加速を大幅に効率化する手法医療機器ニュース

大阪大学は、レーザーの光を使って粒子を加速する新しい手法を発見した。従来の100分の1のレーザー強度で、同等の加速エネルギーを得られるため、粒子線がん治療や中性子非破壊検査などへの応用が期待される。

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 大阪大学は2017年2月13日、レーザーの光を使って粒子を加速する新しい手法を発見したと発表した。同手法では、従来の100分の1のレーザー強度で同等の加速が可能になる。同大学レーザーエネルギー学研究センターの余語覚文准教授らの研究グループによるもので、成果は同月13日、英科学誌「Scientific Reports」で公開された。

 数十μ(ミクロン)という小さな領域に、およそ1兆分の1秒という極めて短い時間、レーザーの光を集中させると、あらゆる物質が電子とイオンに分離した「プラズマ」になる。この高密度のプラズマからは、高エネルギーの粒子や光が発生する。

 今回、同研究グループは、プラズマの温度が時間と共に成長する「時間幅効果」の原理を発見した。同原理では、プラズマの温度が従来の法則を超えて上昇する。これをイオンの一種である陽子の加速に利用したところ、加速エネルギーとして3300万電子ボルト(光速の25%に相当)を得られた。これは、従来は100倍のレーザー強度でなければ実現できなかった成果で、レーザーによる粒子加速を大幅に効率化できたことになる。

 また、従来の「加速器」(粒子を加速する装置)では、同等の加速エネルギーを得るのに数m程度の長さを要していた。同研究グループは、髪の毛の太さ程度(約100μ=100分の1cm)の短い範囲に、3300万ボルトという極めて大きな電圧をつくり出すことに成功している。

 同技術は、これまで加速器を用いてきた、「切らずに治すがん治療」である粒子線がん治療や「橋などのインフラを透かして診断」する中性子非破壊検査などへの応用が期待される。

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「時間幅効果」を用いた加速エネルギー向上の成果

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