“美人”で“自然”な対話アンドロイド「ERICA」、阪大ら開発
大阪大学や京都大学などからなる研究グループが、“美人”アンドロイド「ERICA」を開発した。ERICAを利用して研究を進め、自然な対話が行える自律対話型アンドロイドの実現を目指す。
大阪大学 石黒浩教授らの研究グループは2015年8月3日、音声認識を用いて人間と“違和感のない自然な対話”を実現するための、アンドロイド研究開発用プラットフォーム「ERICA」(エリカ)を開発したと発表した。
実在の人物ではなく「美人顔」の特徴をCGで作成。そのCGを元に造形することで、ロボットとしての親しみやすさと人間としての存在感の両立を狙い、また、自然な対話と振る舞いを実現するため、音声認識や音声からの動作生成、なめらかな動きを可能にする空気圧アクチュエーターなど、最新技術を投入した。
アンドロイドの制御、動作生成、マイクロフォンアレイなどについては大阪大学と国際電気通信基礎技術研究所(ATR)が手掛け、音声認識/対話生成システムについては京都大学が手掛けた。音声認識エンジンは「Julius」、音声合成は「Voicetext」をそれぞれベースとしている。
「ERICA」の身長は166センチ(立位時)で自由度は19(能動関節)/30(受動関節)、センサーとしてCMOSカメラを左右眼球に1つずつ、マイクを両耳に1つずつ搭載する。人物の追跡には空間分解能10センチ/時間分解能33ミリ秒の2次元レーザー距離センサーを用い、このセンサーと16chマイクロフォンアレイの組み合わせに預手、発話者の発話区間も検出する。
プロジェクトでは大阪大学/ATRの制御技術と京都大学の音声認識技術を複合させ、自律的対話機能を持ったアンドロイドの実現を目指し、開発したプラットフォーム「ERICA」を用いた研究を行っていくとしている。
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