約19年で累計世界販売台数が1000万台突破、トヨタのハイブリッド車:エコカー技術
トヨタ自動車は、ハイブリッド車のグローバル累計販売台数が同年1月末までに1000万台を突破したと発表した。90以上の国と地域で、ハイブリッド車33モデル、プラグインハイブリッド車1モデルを販売している。900万台を達成したのは2016年4月末で、約9カ月で100万台を積み増した。
トヨタ自動車は2017年2月14日、ハイブリッド車のグローバル累計販売台数が同年1月末までに1000万台を突破したと発表した。90以上の国と地域で、ハイブリッド車33モデル、プラグインハイブリッド車1モデルを販売している。900万台を達成したのは2016年4月末で、約9カ月で100万台を積み増した。
同社は「エコカーは普及してこそ環境への貢献」と考え、ハイブリッド車の普及に取り組んでいる。これまでに販売したハイブリッド車によって、CO2排出抑制効果(市場走行台数×走行距離×各国での実燃費×CO2換算係数)は約7700万トン、ガソリンの消費抑制量は2900万kl(リットル)に上ると試算している。
トヨタ自動車は1997年8月に日本で「コースター ハイブリッドEV」を発売し、同年12月に「世界初の量産ハイブリッド乗用車」(トヨタ自動車)の初代「プリウス」を発表した。「トヨタハイブリッドシステム(THS)」は、2003年に「THS II」に進化しており、2015年12月に発売した現行プリウスは、トヨタ自動車のもっといいクルマ作り「TNGA(Toyota New Global Architecture)」のプラットフォームを採用して低重心化を図った。さらに、2017年発売の「カムリ」の新モデルには、TNGAによって一新したTHS IIを搭載している。
グラフを見ると、2016年に欧州での累計販売台数が北米を上回っている。欧州は右肩上がりに販売台数を伸ばしてきているが、北米では2013年をピークに減少傾向が続いている。
初代プリウスの開発責任者である同社 取締役会長の内山田竹志氏は「初代プリウスの発売当時、ハイブリッドという言葉は世間に全くなじみもなく、乗っている人はオタクだといわれた。しかし、未知のクルマに期待を寄せて乗っていただいた多くのお客さまに支えられて『普通のクルマ』になるまで普及することができた。今後も環境問題の解決に貢献できるように挑戦を続けていきたい」とコメントしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- TNGAのエンジンとトランスミッションは2017年から搭載、燃費は従来比20%改善
トヨタ自動車は、“もっといいクルマづくり”のための構造改革「Toyota New Global Architecture」に基づいて、エンジン/トランスミッション/ハイブリッドシステムを刷新する。TNGAパワートレインは2017年発売の新型車に搭載する。2021年までにエンジンで9機種、トランスミッションで4機種、ハイブリッドシステムで6機種を投入する計画だ。 - トヨタのハイブリッド車累計販売台数、2016年内にも1000万台突破か
トヨタ自動車は、ハイブリッド車のグローバル累計販売台数(プラグインハイブリッド車を含む)が2016年4月末までに900万台を突破したと発表。2015年12月発売の新型「プリウス」などの投入によって、ハイブリッド車の販売台数が伸びており、2016年内に1000万台の大台を突破する可能性もある。 - スズキとトヨタ「業務提携は今日からスタート」、具体的な内容はこれから議論
スズキとトヨタ自動車は、協業の実現に向けて具体的な検討に入ると発表した。「業務提携に向けた検討を開始する覚書」(両社)を締結したことにより、両社での提携は「本日からスタート」(スズキ)した。協業の早期の具体化に向けて、4つの分野で実現可能性を話し合い始めた。 - トヨタの米国生産能力は限界、トランプ政権の影響は見通し困難
トヨタ自動車が2017年3月期(2016年度)の第3四半期(4〜12月)決算を発表した。連結販売台数は北米をはじめとする各市場で好調で、為替相場が円安に振れることにより通期では利益面も改善する見通しだ。ただ、米国のトランプ政権の影響を見通すのは難しいとしている。 - トヨタの社内EVベンチャー、トップは4代目「プリウス」開発責任者が就任
トヨタ自動車は2016年11月30日、役員の担当変更と人事異動を発表した。同社が電気自動車(EV)の開発を加速するために新設する社内ベンチャー「EV事業企画室」に関わる内容となっている。