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トヨタの米国生産能力は限界、トランプ政権の影響は見通し困難製造マネジメントニュース

トヨタ自動車が2017年3月期(2016年度)の第3四半期(4〜12月)決算を発表した。連結販売台数は北米をはじめとする各市場で好調で、為替相場が円安に振れることにより通期では利益面も改善する見通しだ。ただ、米国のトランプ政権の影響を見通すのは難しいとしている。

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 トヨタ自動車は2017年2月6日、東京都内で会見を開き、2017年3月期(2016年度)の第3四半期(4〜12月)決算を発表した。2016年4〜12月期の売上高は前年同期比6.0%減の20兆1547億円、営業利益が同32.5%減の1兆5554億円、当期純利益が同24.0%減の1兆4327億円だった。

 ドルやユーロの為替相場が円高に振れたことが営業利益を押し下げたが、連結販売台数は原油安で販売が減少した一部地域を除いて新型車の売れ行きが好調で増加した。

 通期見通しは、売上高が前期比6.7%減の26兆5000億円、営業利益が同35.2%減の1兆8500億円、当期純利益が同26.5%減の1兆7000億円とした。2016年4〜9月期の発表から想定為替レートを円安方向に見直したことにより、営業利益はこれまでの見通しよりも1500億円増えた。1米ドル=103円から107円に、1ユーロ=114円から118円に修正している。

 各市場で投入した新型車や、北米市場で需要の高いライトトラックの供給体制の改善により、通期の世界連結販売台数は前回予想より5万台多い890万台を見込んでいる。グループ総販売台数は1015万台に上る見通しだ。

決算 2017年3月期通期の業績見通し(左)と連結販売台数の見込み(右)(クリックして拡大) 出典:トヨタ自動車

トランプ政権の影響読めず

トヨタ自動車の大竹哲也氏
トヨタ自動車の大竹哲也氏

 2016年4〜12月期の連結販売台数(ダイハツブランド、日野ブランド、トヨタ単体および連結子会社の製造出荷分)は664万3000台で、前年同期より15万台増加した。

 地域別にみると、日本市場ではコンパクトトールワゴン「ルーミー」「タンク」、コンパクトSUVの「C-HR」や、「プリウス」といった新型車の効果で、販売台数が前年同期から13万6000台増加して161万3000台となった。

 北米市場では「RAV4」「ハイランダー」「タコマ」「タンドラ」といったSUVやトラックが販売台数を伸ばし、前年同期比4000台増の214万5000台だった。2016年10〜12月期の3カ月では前年同期比1万7000台のプラスとなっている。

 2017年度の北米新車市場の見通しについて、「2016年の1755万台から2%減程度を見込んでいる。この規模は依然として大きい。市場構成はライトトラックやSUVへのシフトが進み、乗用車には厳しいだろう。TNGA採用モデルである『カムリ』の投入で、台数と収益のバランスを確保していきたい。ライトトラックの供給改善もあり、販売台数としても前年並みを確保していけるのではないか」(トヨタ自動車 常務役員の大竹哲也氏)。

 トヨタ自動車は2017年1月開催の北米国際自動車ショーで、今後5年間で米国内に100万米ドル(約1兆1200億円)を投資する方針を発表。また、米国インディアナ工場に6億米ドル(約672億円)を投じ、ハイランダーの年間生産能力を2019年秋から4万台増強することも決定している。現状では米国内の生産能力は限界に達しており、大きな余力がないとしている。

 同社を名指しで批判した米国のトランプ政権について「米国の景気回復や上昇感につながると期待しているが、自由貿易や為替などに与える影響を見通すのは難しい」(大竹氏)。

 欧州ではRAV4やC-HRが好調で2016年4〜12月期の連結販売台数は5万台増の66万8000台、アジアでは、インドネシアやフィリピンで「カリヤ」「シエンタ」「IMV」といった新型車が販売を伸ばし17万6000台増の119万2000台と増加した。中南米・オセアニア・アフリカ・中近東では、原油安の影響を受けて前年同期比21万6000台減の102万5000台だった。

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