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今だから知りたい、トヨタが示す“円高に負けないモノづくり”の作り方モノづくり最前線レポート(1/2 ページ)

トヨタ自動車の2017年3月期第2四半期決算は減収減益となったが、円高による為替差損の影響を2000億円クラスの原価改善によって抑えるなど、一定レベルの為替影響のコントロールに成功している。トヨタが考える「2段構えの円高対策」について紹介する。

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 トヨタ自動車は2016年11月8日に2017年3月期(2016年度)第2四半期(2016年4〜9月)決算を発表。6カ月累計では、売上高が前年比7.2%減となる13兆705億円、営業利益は同29.5%減となる1兆1168億円、当期純利益が同24.8%減となる9461億円と減収減益となった。

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トヨタ自動車の2016年度第2四半期連結業績の概要(クリックで拡大)出典:トヨタ自動車

 しかし、前年同期と比べて対米ドルで20円、対ユーロで22円の円高となっている。そのため営業損益面での実質的マイナス効果は7000億円程度存在した。しかし、原価低減活動などにより2000億円の原価改善を実現し、円高のマイナス影響を最小限に抑えることに成功した。決算会見でトヨタ自動車 取締役副社長の伊地知隆彦氏から「トヨタの円高対策」について説明があったが、本稿ではその内容をお届けする。

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トヨタ自動車の2016年度第2四半期連結業績の概要(クリックで拡大)出典:トヨタ自動車

「特別なことは何もしていない」

 今回の決算における為替対策について、伊地知氏は「特別なことは今回は何もない」と継続的に取り組んできた内容の意義を強調する。

 トヨタ自動車では2013年頃の1ドル80円前後の超円高時代から、主に3つのポイントで円高対策に取り組んでいるという。1つ目が仕入れ先と協力して取り組む原価低減活動である。2つ目が、今ある車種の原価低減化だ。そして3つ目が工場と物流の改善になる。伊地知氏は「今回の円高対策についても基本的な取り組みはほとんど変わっていない」と語っている。

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