車載向け機能を強化した高速起動ソリューションを提供開始:組み込み開発ニュース
ユビキタスは、ルネサス エレクトロニクスの「Renesas Linux BSP」に対応した高速起動ソリューション「Ubiquitous QuickBoot」の機能を強化し、提供を開始した。64ビットやSecureBootに対応し、起動時間を高速化する。
ユビキタスは2016年12月19日、ルネサス エレクトロニクス(ルネサス)の車載向けSoC 「R-Car」の第3世代「R-Car H3」「R-Car M3」に搭載されている「Renesas Linux BSP」に対応した高速起動ソリューション「Ubiquitous QuickBoot」を車載向けに機能強化し、提供を開始した。64ビットやSecureBootに対応し、起動時間を高速化するとともに安全性を高めている。
QuickBootは、ARMの64ビットコア「Cortex-A57/A53」に対応。ルネサスが提供するSecureBootと協調して動作することで、改ざんを検知しながら安全性に配慮した高速起動を実現した。
Super Read Boost機能を開発し、スナップショットイメージの読み込み時間が従来比で30〜40%高速化した。さらに、Super Write Boost機能の開発により、書き込み時間は従来比で30〜50%高速化している。スナップショットイメージの読み出しサイズを柔軟に調整できるため、アプリケーションに適した高速起動が可能になった。
また、CPUコアごとにユーザースレッドを定義し、複数のタスクの動作をでサポートしながら起動途中に他の処理を実行できる。UHS-I、HS200、HS400などSD/eMMCの規格にも対応している。
車載情報機器分野は、ナビゲーション情報や地図描画の高度化に加え、AV機能の統合、スマートフォンやクラウドサービスなどとの連携が求められている。さらにアプリケーションの高機能化などにより、機能の初期化やソフトウェアの改ざんチェックなどの処理に時間がかかり、エンジン始動からの起動時間の短縮が課題となっていた。
同社では今後、R-Car H3/M3向けQuickBootでサポートする評価ボードとして、ルネサスのR-Car H3搭載システム開発・評価ボードと、R-Carスタータキットにも順次対応していく予定としている。
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