デンソーが電動化の開発を加速する新組織、トヨタの電気自動車注力方針に対応:製造マネジメントニュース
デンソーが2017年1月1日付で行う組織変更について発表。今回の組織変更は「技術開発体制の強化」と「機能の強化」が目的になっている。
デンソーは2016年12月26日、2017年1月1日付で行う組織変更について発表した。
今回の組織変更は「技術開発体制の強化」と「機能の強化」が目的になっている。技術開発体制の強化では、電気自動車(EV)などの電動化分野における一層の開発強化と事業伸展を狙い「エレクトリフィケーションシステム事業グループ」を新設する。同事業グループでは、電機事業部とEHV機器事業部のシステム開発機能を集約したエレクトリフィケーションシステム開発部を新設。電動化分野の開発を一層強化、加速させる。
また、電機事業部はエレクトリックコンポーネント事業部に、EHV機器事業部はエレクトリフィケーションコンポーネント事業部に名称を変更する。
この他、全社の計測技術の開発、統括を強化するため、計測技術室を部組織化した「計測技術部」を発足させる。
機能の強化では「全社工機機能の統合」と「アフターマーケット事業部の再編」を行う。全社工機機能の統合では、サーマルシステム事業グループとパワトレインシステム事業グループの工機設備部門を工機部に集約、再編する。併せて「パワトレイン生産技術開発部」を新設し、サーマルシステム生産技術開発部の再編も行う。
アフターマーケット事業部の再編では、自動車分野のサービス機能をサービス部に集約し、再編する。また新事業分野のサービス機能は、新事業推進部に移管する。さらに、営業部門と技術部門を機能軸で集約し、それぞれアフターマーケット技術室、アフターマーケット営業部として再編する。
電動化分野の開発強化という観点では、トヨタ自動車が2016年11月に電気自動車の開発を加速させると表明。同月末に社内ベンチャーとなるEV事業企画室を発足させている。このEV事業企画室に人員を出向させているデンソーにとって、電動化技術の開発をさらに加速させる組織体制は必須だったといえる。
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