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新型「スイフト」の「デュアルセンサーブレーキ」、実はトリプルセンサー安全システム(2/2 ページ)

スズキは、コンパクトカー「スイフト」を全面改良して発表した。先代モデルまでのスイフトらしさを残しながらデザインを刷新するとともに、プラットフォームや足回りなど車両全体で軽量化を図り、車両重量は先代モデルより120kg軽い840kgとした。

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スイフトらしさを議論

 先行デザインでは、複数のデザイナーが50以上の案を出して新型スイフトの外観の方向性を議論した。先行デザインとしては5案が残り、3分の1スケールおよび1分の1のクレイモデルを作成しながら量産デザインを模索。量産モデルを検討する段階でも、表現が異なる複数パターンの1分の1クレイモデルを作成した。

 ボディーカラーは、鮮やかさと深みの両立を目指した新色「バーニングレッドパールメタリック」「スピーディーブルーメタリック」の2色を加えた全9色。

456 インテリアは、ドライバーの操作性を第一としたデザインに(左、中央)。メーター中央にはカラー液晶ディスプレイを搭載(右)(クリックして拡大)

 インテリアはドライバーを中心とした構成とし、質感や先進感を高めた。メーターの中央には、画面サイズ4.2型のカラー液晶マルチインフォメーションディスプレイを採用。走行情報などを表示する。

 車両寸法は、全長が先代モデルより10mm短い3840mmだが、ホイールベースは20mm延ばした。前後席ともにヒップポイントを下げ、全高は先代モデルよりも10mm低い1500mmとした。全幅は5ナンバーサイズに収まる1695mmである。

車両全体で120kgの軽量化

 プラットフォームは「バレーノ」などと同じBセグメント用を採用した。これは軽自動車「アルト」から導入を始めた軽量化と高剛性化を両立するプラットフォームで、軽自動車用、Aセグメント用、Bセグメント用に分かれているが、基本設計は共通だ。スイフトから「HEARTECT(ハーテクト)」という名称を付けた。

 このプラットフォームでは、構造や部品配置を見直して、合理的でシンプルな形状としている。骨格同士が結合する強度の高い部位を、負荷のかかる部品の固定に利用することで補強部品を削減した。これにより、ボディー剛性を向上させながら、30kgの軽量化を図っている。

109 リアトーションビームは薄肉化や穴あけによって軽量化(左)、スタビライザーは中を空洞に。プラットフォームだけでなく各部品の軽量化を積み重ねて車両重量を減らした(右)(クリックして拡大)

 この他にも、引っ張り強度980MPaの超高張力鋼板の使用量を先代モデルの約3倍に増やし、引っ張り強度780MPaの高張力鋼板も倍増した。ボディー全体の2割に高張力鋼板を採用し、車両重量の低減につなげた。エンジンやサスペンション、シートも含めて軽量化を図って、排気量1.0l以上のコンパクトカークラスとしては最軽量の840kgを達成した。

78 排気量1.0lの直噴ターボエンジン(左)と排気量1.2lのデュアルジェットエンジン(右)。エンジンも12kgの軽量化。デュアルジェットエンジンはマイルドハイブリッド搭載グレードも(クリックして拡大)

国内登録車10万台を達成

 スズキは2016年度に登録車の国内販売台数10万台を目指してきたが、2016年12月時点で10万台を超えたことを明らかにした。2016年2月に発売した小型クロスオーバーSUV「イグニス」や、2016年3月に発売したインド生産の「バレーノ」といった新型車効果が大きいという。

 スズキ 代表取締役社長の鈴木俊宏氏は「営業やサービスが一体となったことで達成できたが、安定して10万台を達成できる実力はまだない。まずはその力を付けていきたい。スイフトで2016年度を超える台数に挑戦したい」と話す。

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