検索
特集

スズキのステレオカメラは「アイサイト」と0.2ポイント差、違いは“熟成度”安全システム(1/4 ページ)

スズキのステレオカメラ方式の運転支援システム「デュアルカメラブレーキサポート」を搭載する「スペーシア」は、JNCAPの予防安全アセスメントの評価結果が45.8点だった。同じステレオカメラ方式の運転支援システムである富士重工業の「アイサイト」搭載車両は満点の46点。この0.2点の差は小さいようで大きい。

Share
Tweet
LINE
Hatena

 スズキは2015年5月、スーパーハイトワゴンタイプの軽自動車「スペーシア」に、軽自動車で初となるステレオカメラ方式の運転支援システム「デュアルカメラブレーキサポート」を採用したと発表した(関連記事:「スペーシア」がステレオカメラを搭載、時速100kmまで自動ブレーキ)。

 それまでステレオカメラ方式の運転支援システムといえば、富士重工業の好調な販売を支える「EyeSight(アイサイト)」や、トヨタ自動車の「レクサスLS」の運転支援システムしかなかった。特にアイサイトは、センサーがステレオカメラだけにもかかわらず、自動ブレーキ以外にも、先行車両を追従して走行するアダプティブクルーズコントロール、車線維持、誤発進抑制など機能が豊富で、高機能な運転支援システムというイメージが強い。

「デュアルカメラブレーキサポート」のステレオカメラ
「デュアルカメラブレーキサポート」のステレオカメラ(クリックで拡大) 出典:スズキ

 一方、軽自動車に搭載されている運転支援システムは、レーザーレーダー方式がほとんどだ。価格が5万円前後と安価ではあるものの、自動ブレーキの動作速度範囲が狭く、機能は限定されている。スズキも2013年7月から、レーザーレーダー方式の「レーダーブレーキサポート」を軽自動車のほぼ全ての車種で展開している。

 その流れを突然断ち切って登場したのが、軽自動車で初めてステレオカメラ方式を採用したデュアルカメラブレーキサポートだ。さらに、ステレオカメラのサプライヤは、アイサイトと同じ日立オートモーティブシステムズという、ある種のお墨付きまである(関連記事:スズキのステレオカメラ、サプライヤはどこ?)。

 期待の大きいデュアルカメラブレーキサポートだが、2015年8月5日、「JNCAP(Japan New Car Assessment Program)」の予防安全アセスメントの評価結果が出た。デュアルカメラブレーキサポートを搭載するスペーシアの評価点数は45.8点で、満点の46点に0.2点に及ばなかった。

「デュアルカメラブレーキサポート」を搭載する「スペーシア」のJNCAP予防安全アセスメント評価結果
「デュアルカメラブレーキサポート」を搭載する「スペーシア」のJNCAP予防安全アセスメント評価結果(クリックで拡大) 出典:JNCAP

 これは、停車状態の車両に自動ブレーキを行う試験で走行速度が時速50kmの場合と、同じく停車状態の車両に対する衝突予測警報の後に急ブレーキを掛ける試験で走行速度が時速60kmの場合、それぞれでわずかな減点があったためだ。

 アイサイトを搭載する「レヴォーグ」などは満点の46点なので、その差は0.2ポイント。同じサプライヤのステレオカメラを用いながら、この差が生まれたのはなぜなのだろうか。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

       | 次のページへ
ページトップに戻る