2つの子会社の統合により設計開発・実験事業を強化:製造マネジメントニュース
テンプホールディングスは、パーソルグループ内でエンジニア事業領域を担う日本テクシードと、自動車関連の設計・実験事業を行うDRDを2017年4月に統合すると発表した。新会社名は「パーソルR&D」となる。
テンプホールディングスは2016年12月1日、パーソルグループ内でエンジニア事業領域を担う日本テクシードと、自動車関連の設計・実験事業を行うDRDを2017年4月に統合し、同事業領域の強化を図ると発表した。新会社名は「パーソルR&D」、代表取締役社長には宮村幹夫氏が就任する。テンプホールディングスの100%出資で、資本金は4億9500万円。
今回の統合により、自動車の開発工程において、設計から実験までの製品一括請負から部品単位の請負、コンサルティング、エンジニアの派遣まで、ワンストップ対応が可能となる。また、短期的なエンジニア支援から複数年にわたる大型プロジェクトの支援まで、さまざまなニーズに対応する。
自動車業界では製品開発工程のアウトソーシング化が進み、製造工程全てを一括してアウトソーシングできる技術基盤を持つ存在が不可欠だ。しかし、現在は特定メーカーの子会社やエンジニア派遣サービス会社が中心で、一部のアウトソーシングやエンジニアの派遣にとどまっている。また、エンジニアの高齢化や人材不足、技術の伝承も課題となっている。
両社の統合はこうした自動車業界の課題を背景として、自動車業界を中心としたエンジニア派遣サービスや設計請負、CAE解析を強みとする日本テクシードと、商用車メーカーの開発部門としてスタートし、自社で実験設備を持って設計から実験まで一貫して開発が可能なDRDの技術力を融合し、より高付加価値なサービスの提供を目指すものだ。
将来的には、モデルベース開発などの先端技術の取り込み、コンサルティング事業などの高付加価値ビジネスへのシフト、自動車以外の産業領域への拡大や海外展開も進めていくという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 需要高まる「即戦力のメカ技術者」、テンプスタッフが3次元CAD技術者育成
テンプスタッフ・テクノロジーが、登録スタッフ向けにCATIAの研修を無償で提供する教育プログラムを開始する。製造業における3次元CAD操作技術者の需要増に向け、即戦力人材を育成する狙い。 - SOLIZE、インドと米国のエンジニアリングサービス・アウトソーシング会社を買収
SOLIZEは、インドと米国のESO会社であるCSMグループを買収した。両社の技術力や技術者が統合されることで、開発支援体制の多極化と技術者の多国籍化が進み、より高い技術力と高品質なサービス提供が可能になる。 - 兼松エレ、中国で設計アウトソーシングなどを展開へ
兼松エレが兼松電子(成都)有限公司の営業を開始。設計開発のアウトソーシングや日系企業の中国進出支援を推進する - アンシス、HPCのアウトソーシングサービスに取り組む
アンシス・ジャパンはHPCの構築・運用をアウトソーシングするサービスを準備中だ。本社の米ANSYSでは先行して準備が進められている。 - 「イノベーションが起こせない国」からの脱出
元・メーカー勤務の無線通信LSI専門エンジニアが、技術者派遣会社への転職を機に体験した“大きな変化”を通して考えた「“これからのエンジニア”の働き方」を語る連載がスタート。第1回は「なぜ、日本ではイノベーションを起こせないのか?」というテーマをひも解いていく。