20周年を迎えた製造業向け業務システム、対応範囲拡大でデジタル化の基盤に:製造ITニュース
B-EN-Gは、自社開発の生産管理パッケージである「MCFrame」の新製品を発売する。MCFrameは20周年を迎え、従来の生産管理から対応範囲を拡大し、製造業のデジタル化支援に向けた取り組みを進めていく。
東洋ビジネスエンジニアリング(以下、B-EN-G)は2016年12月15日、自社開発の生産管理パッケージ「MCFrame 7」を2017年2月1日に発売することを発表した。また、設計と生産を結ぶモノづくりコミュニケーション基盤「EM-Bridge」も併せて発売する。
20周年を迎えた生産管理パッケージ
「MCFrame」は1996年に、B-EN-Gが東洋エンジニアリングのIT事業部だった時代に独自ブランド製品としてリリースされたものだ。20周年を迎える中でユーザー会には130社以上が参加。さらに20社以上のパートナー企業からの意見も集め、基本的なアーキテクチャを見直し、将来的なポートフォリオの拡大に対応するため、新たに開発したのが「MCFrame 7」となる。
「MCFrame 7」は、バリューチェーン(VC)軸での運用と環境変化への柔軟な対応や、プロダクトライフサイクル、サプライチェーン、工場内情報ネットワークの連携など複合的なシステム連携などを目的としており、クラウド対応を取り、グループでの運用性強化や複数の生産形態対応する機能を強化した。さらに設計製造(EM)連携や、IoT対応、グローバル対応も進める。またデータ構造のシンプル化を進め、環境変化への対応やデータ活用を容易にしている。
「MCFrame 7」のリリースに伴い、自社開発製品を再編し「MCFrame」へのブランド統一を行う。旧「A.S.I.A.」は、海外拠点用会計ERPシステム「MCFrame GP」(仮称)、旧「RAKU-Motion」は「MCFrame IoT MOTION」に、旧「RAKUPad」は「MCFrame IoT RAKUPAD」とし、全ての製品を統合している。
設計と生産の連携を容易に実現
「MCFrame 7」と併せて発売する新製品「EM-Bridge」は、図研プリサイトとB-EN-Gの共同開発製品である。開発は図研とB-EN-Gが2015年2月に設立した合弁会社「ダイバーシンク」で行った。
「EM-Bridge」は工程表(BOP)を中心に設計と製造の情報を統合管理して連携を実現するモノづくりコミュニケーション基盤である。各生産拠点の製造工程や原価情報などの製造情報を、設計部品表(E-BOM)などの設計情報と組み合わせて共有されることで、手戻りの防止やリードタイムの短縮、品質やコスト、納期の作り込みなどを行えるようにする。これらの情報を統合することでモノづくりにおけるマスターデータを確保し、製造情報の一元管理を実現する。
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