「つながる工場」領域に踏み込むB-EN-G、設備管理サービスを展開へ:製造ITニュース
東洋ビジネスエンジニアリング(B-EN-G)は、新たにIoTを活用した設備管理サービスに取り組むことを明らかにした。AWSのパートナーシッププログラムにも加入し、クラウドを強みにカバー領域の拡大を目指す。
東洋ビジネスエンジニアリング(以下、B-EN-G)は新たに製造業向けIoT(Internet of Things、モノのインターネット)領域に進出することを明らかにした。
同社は独自ブランド製品として、製造業向けのERP(基幹業務システム)ソリューションである「MCFrame」や、海外拠点向けのERPパッケージ「A.S.I.A.」などを展開。経営管理や原価管理、販売管理、生産管理などの領域で、主に製造業の支援を進めてきた。
これらの取り組みを進める中で、さらに製造現場に近い領域まで拡大することを目指す。新たにアマゾン ウェブ サービス(以下、AWS)が提供する「AWS Partner Network(以下、APN) テクノロジーパートナー スタンダード」に加入し、同プラットフォームを活用しつつ、生産現場におけるIoTを活用した設備管理サービスの展開を行う方針だ。
B-EN-Gの常務取締役でCMO/CTOの羽田雅一氏は「グローバルでの実績や製造業への実績などもあるが、IoT向けのプラットフォームを持っていることが大きかった。またコミュニティー活動なども進んでおり、先進的な技術を得る機会も多い」とAWSとの連携の理由について述べている。
IoTで設備管理を実現へ
IoTの活用については、「つながる工場」をコンセプトにサプライチェーンの高度化に取り組む。例えば、納品先工場での在庫量を正確に把握することにより、タイムリーな原材料提供を可能とする仕組みが構築可能となるが、これにより、将来的にVMI(Vender Management Inventory)型のビジネスモデルや、サービス型事業への転換などを実現可能となる。また、全世界で利用実績のあるAWSをベースとすることによりグローバル拠点を含めた一括管理を確実に実現し、サービス化されたAWS IoTやAWS Lambdaの活用でリーズナブルかつ迅速な運用環境構築を実現する。
羽田氏は「基本的にIoTを活用したさまざまなソリューションを実現するのは現場とどう結び付き、現場のデータをどう扱うかということが重要であることは認識している。製造現場の情報については、センサー1つ1つの情報ではなくPLC(Programmable Logic Controller)で取捨選択された情報を扱うことを想定している。既にこれらのメーカーとの協業なども含めて話を進めている」と述べている。
設備管理サービスについては、2016年春ごろには実装予定としており、販売を進めていく方針だ。
AWSを活用しビジネス領域を拡大
その他、製薬・医療機器業界特有のシステム利用のためのCSV(コンピュータ化システムバリデーション)適用のため、AWSの環境用のレファレンス文書(利用手引き)をB-EN-Gを含めたAPN5社で共同策定し、2016年2月下旬から無償提供を開始。今後、製薬・医療機器業界向けにクラウド環境でのERP導入を加速させていく。さらに、「MCFrame」と「A.S.I.A.」は、APNのネットワークを活用し業界・業種のソリューションやサービスを提供している他のパートナーと連携することで、業界・業種特化型ソリューションの提供を進めていくことを目指す。製薬・医療機器業界に続いて、化粧品・食品業界や小売・流通業界などへの展開も検討していく。
羽田氏は「SaaS(Software as a Service)の場合は特に、カスタマイズに不向きなところがあり、より業界や業種に特化した形でシステムを提供する必要があると考えている。APNのコミュニティーを生かし、新規ソリューションの展開を進めていきたい」と語っている。
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