ニュース
従来機より7割以上小型化したロボット専用コントローラー:FAニュース
川崎重工業は、小型ロボット用コントローラー「F」シリーズの新製品を発売した。従来機に比べて約77%小型化し、10%以上の省電力化を実現した。
川崎重工業は2016年12月1日、小型ロボット用コントローラーの「F」シリーズとして「F60」を発売した。同社の小型汎用ロボット「RS003N」「RS005N/L」「RS006L」「RS010N」と、医薬・医療用ロボット「MC004N」「MS005N」に使用できる。
F60は、部品を集約して配置を最適化することで、筐体のサイズを抑えた。体積が従来機「E7X」より約77%小型化した他、質量も8.3kgと約72%削減しており、19インチのラックに設置できる。
消費電力も削減した。ロボットが動作する時に発生する回生エネルギーを電力として再利用したり、使用部品や制御機構を見直したことで、従来機より電力消費量を10%以上削減した。
また、それぞれの規格に対応するため、国や地域によって異なっていたコントローラーの仕様を共通化した。さらに、Bluetoothインタフェースを内蔵し、タブレットなどから接続可能にした。32チャンネルのI/Oユニットは4基まで増設できる。
同社はこれまで、医療用や半導体製造装置用など、ロボットの用途ごとにコントローラーを提供してきたが、Fシリーズは多様な用途に対応できるように開発された。今後、半導体製造用のクリーンロボットや双腕スカラロボット向けにもラインアップを拡大していく。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- いまさら聞けない産業用ロボット入門〔前編〕
日本は「ロボット大国」とも呼ばれていますが、その根幹を支えているのが「産業用ロボット」です。それは世界の産業用ロボット市場で圧倒的に日本企業がシェアを握っているからです。では、この産業用ロボットについてあなたはどれくらい知っていますか? 今やあらゆるモノの製造に欠かせない産業用ロボットの本質と基礎を解説します。 - ロボット大賞、ティーチレスでばら積みピッキングできるコントローラーが受賞
経済産業省と日本機械工業連合会が主催する「第7回ロボット大賞」の結果が発表。経済産業大臣賞は、MUJINの「完全ティーチレス/ばら積みピッキングMUJINコントローラー『PickWorker』」が受賞した。 - 「ロボット新戦略」が生産現場にもたらす革新とは?
日本再興戦略の一環として策定された「ロボット新戦略」は、2015年5月15日に新設される「ロボット革命イニシアティブ協議会」により、実現に向けた活動に入ることになる。本稿ではロボット新戦略が生産現場に何をもたらし、どういう方向性になるのかを解説する。 - “人とロボットが一緒に働く” 3つのポイントで壁低く
規制緩和により人と共に働く協働ロボット(協調ロボット)が注目度を増している。生産ラインの柔軟性を大きく高められる可能性があるからだ。人間協調型の産業用ロボットベンチャーである、ユニバーサルロボットは日本向けの技術発表会を開催。普及を後押しする3つのポイントについて紹介した。 - 産業用ロボットのIoT化を加速させるファナック、シスコと協業し非稼働時間ゼロに
ファナックとシスコシステムズは、産業用ロボットをネットワークに接続し、効率的な運用を推進できるように協業することを発表した。既に米国でパイロットプロジェクトを進行しており、期間中の産業用ロボットのダウンタイムをほぼゼロにすることに成功したという。