シーメンスのメンター買収が象徴するIoT時代のM&A
2016年11月14日(米国時間)、IoT(モノのインターネット)時代を象徴するような買収案件が発表されました。シーメンス(Siemens)が、メンター・グラフィックス(Mentor Graphicsを45億米ドルで買収したのです(関連記事:シーメンスがメンターを45億ドルで買収、「デジタルエンタープライズ」加速へ)。
製造業が利用する設計ツールとしては、プリント基板や半導体回路の設計に使う電気CAD(ECAD)/EDA、機械構造の設計に使う機械CAD(MCAD)、組み込みソフトウェアを開発するソフトウェア開発ツールなどがあります。これらエレメカソフトの統合は、モノづくりの課題として常に問われてきました。
しかしこれまでに、エレメカソフトの統合を実践できている事例は多いとはいえません。エレ、メカ、ソフト各領域における技術者間の慣習の違いやツール連携インタフェースの欠落など、さまざまな壁が阻んできたのが実情でしょう。
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Samsung Electronicsは、Harman International Industriesを80億米ドル(約8640億円)で買収する。Harmanの2016年9月期の通期決算は、売上高が約70億米ドル(約7560億円)で、このうち65%を自動車関連が占める。買収により、2025年までに1000億米ドル(約10兆8000億円)に成長が見込まれるコネクテッドカー市場で存在感を高める。
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