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マツダやスズキからも受注を増やすハーマン、サムスンが8640億円で買収車載情報機器

Samsung Electronicsは、Harman International Industriesを80億米ドル(約8640億円)で買収する。Harmanの2016年9月期の通期決算は、売上高が約70億米ドル(約7560億円)で、このうち65%を自動車関連が占める。買収により、2025年までに1000億米ドル(約10兆8000億円)に成長が見込まれるコネクテッドカー市場で存在感を高める。

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 Samsung Electronics(サムスン電子)は2016年11月14日(現地時間)、Harman International Industries(ハーマン)を80億米ドル(約8640億円)で買収すると発表した。2017年半ばまでに買収手続きを完了する。ハーマンは、車載情報機器やテレマティクスサービス、車載情報機器のセキュリティを手掛ける。ハーマンの2016年9月期の通期決算は、売上高が約70億米ドル(約7560億円)で、このうち65%を自動車関連が占めている。

 サムスン電子は、ハーマンの車載情報機器の技術や自動車メーカーとの取引実績を生かして2025年までに1000億米ドル(約10兆8000億円)に成長が見込まれるコネクテッドカー市場での存在感を高める狙いがある。

サムスン電子とハーマンの協力体制

 ハーマンは、サムスン電子の子会社として独立した経営を続ける。買収完了後も経営陣はハーマンのメンバーが残り、ハーマンの人員や施設、保有するオーディオブランドも維持する。サムスン電子は2015年12月に自動車事業を強化するためのカーエレクトロニクス ビジネスチームを立ち上げており、このチームがハーマン経営陣と密接に連携する。

 サムスン電子は、半導体やディスプレイ技術、流通チャネルなどの自社のノウハウとハーマンの製品やブランドを組み合わせて競争力を高める。また、ハーマンのブランドやオーディオの技術は、サムスン電子のコンシューマー向け製品でも活用していく。

 自動車向けでは、サイバーセキュリティや無線ネットワークによるアップデート(OTA:Over-The-Air)、テレマティクスなどのハーマンの技術と、サムスン電子の5G技術、ユーザーインタフェースデザイン、ディスプレイ技術を組み合わせて、自動車メーカーのコネクテッドカー開発をサポートする。売り上げ拡大に大きく寄与すると見込んでいる。

 ハーマンは近年、日系自動車メーカーとの取引拡大に力を入れている。2013年にはマツダが、インターネットラジオ、ポッドキャスト、オーディオブック、Facebook、Twitterを利用するためのクラウドプラットフォーム「Aha by HARMAN」をテレマティクスサービス「マツダ コネクト」で採用した。マツダはAha by HARMANを世界全域で利用可能にする契約を結んだ。

 また、日系自動車メーカー向けには、オーディオだけでなく、カーナビゲーションシステムでの受注も増やしつつある。スズキは、2015年5月に発表した「スペーシア」「スペーシア カスタム」のメーカーオプションとして採用して以降、「ラパン」「ソリオ」「イグニス」「ハスラー」などでハーマン製のカーナビゲーションシステムを設定している。ハーマンのカーナビゲーションシステムを日本向けモデルで採用したのはスズキが初だという。

 オーディオ分野に関しては、「JBL」「HarmanKardon」「Bang&Olufsen」などのハーマンがライセンスを持つブランドを活用してサムスン製品の商品力を強化する。

 IoT(モノのインターネット)に関しては、ハーマンのソフトウェア設計者やエンジニア8000人のリソースを利用して、クラウドサービスの提供や、車載情報機器に向けた設計、ハードウェア開発、データ活用の一体化につなげる。

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