IoT時代を迎え製品開発にはクラウドが必須、エコシステムの価値訴求――AWS:ET2016 開催直前情報
アマゾン ウェブ サービス ジャパンは、2016年11月16〜18日にパシフィコ横浜で開催される「Embedded Technology 2016(ET 2016)」「IoT Technology 2016」に出展。IoT時代を迎え、組み込み開発などにもクラウドが必須となりエコシステムの開発の重要性を訴えた。
30周年を迎えるET展
2016年11月16〜18日の4日間、「Embedded Technology 2016(ET 2016)」「IoT Technology 2016」が、横浜・みなとみらいのパシフィコ横浜で開催される。組み込み技術に特化した専門展のET展は1987年から始まり、2016年で30周年を迎える。
ET 2016/IoT Technology 2016の開催に先立ち、アイティメディアが運営するEE Times Japan、EDN Japan、MONOist組み込みフォーラムでは、ET 2016/IoT Technology 2016の特設ページを設け、見どころ情報や新製品リリース、速報、イベントレポートを多数紹介していく→「ET 2016/IoT Technology 2016特集」。
本記事では、IoT(Internet of Things、モノのインターネット)におけるエコシステムを訴えるアマゾン ウェブ サービス ジャパンの出展内容を紹介する。
4つのパートナーとの共同出展でエコシステムを訴求
アマゾン ウェブ サービス ジャパンはクラウドプラットフォーマーとしてクラウドサービス「アマゾン ウェブ サービス(以下、AWS)」を中心としたエコシステムについて訴求する。
ET展は基本的には機器内に組み込むソフトウェアなどが中心となるが、製品のIoT化が進めば、データプールとしてクラウドとの連携は欠かせない。アマゾン ウェブ サービス ジャパンは単独でのET展への初めてとなる。アマゾン ウェブ サービス ジャパンの事業開発部マネージャーである榎並利晃氏は「IoTは基本的にはセンシングしたリアルのデータを収納し、分析などを行うことで価値を生むというもの。そのためにはクラウドは必須となる」とAWSの価値について強調する。
AWSは既にエンタープライズITのクラウドプラットフォームとしてあらゆる領域で利用が広がっているが、IoT向けでも周辺のインタフェースを一体化し導入の短期化を実現できる「AWS IoT」をリリース。産業用IoTの領域でも幅広い導入が進んでいる。
アマゾン ウェブ サービス ジャパンでは、これらのAWS IoTを1つの切り口と起きつつも全体的なIoTによるエコシステムの重要性を訴える。榎並氏は「AWS IoTは、大きな価値を提供できると考えているが、IoTで本質的に重要なのはエコシステムをどう構築していくのかということだ。ユーザーに提供する価値という意味で今回はパートナーとの共同出展を実施した」と述べる。
ET展ではパートナーとして、機械学習技術を使ったサー異常検知サービスなどを提供するブレインズテクノロジー、予防保全などIoTプラットフォームサービスなどを展開するアクロクエストテクノロジー、大阪ガスの情報処理子会社でIoT簡単導入サービスなどを展開するオージス総研、IoTゲートウェイユニットなどを展開するグローバルワイズの4社と共同出展する。
榎並氏は「AWSはあくまでもクラウドプラットフォームなので、ユーザーに価値を提供するにはパートナーの力が必要となる。産業用IoTの領域では業界や産業によってニーズや情報の粒度などが大きく異なるのでパートナーシップはより重要になる」と述べている。
AWSの強みについて榎並氏は「俊敏性や拡張性などクラウドの基本的な利点は当然保有しているが、IoTという意味で特に効果を生み出すことができる点として『すぐに始められる』という点があると考えている。IoTのポイントはトライ&エラーを早期に繰り返すことだと考えている。そのため導入に多くの時間がかかっていては導入検討前のスモール検証などはできない。こういう小さく、早くという面でAWSおよびAWS IoTは効果を発揮する」と述べている。さらに「セキュリティについても強みがあると考えている。AWSはIoTにおいてデバイスと相互認証できるような仕組みを保有しており、安全性を確保できる」と榎並氏は強みを訴えている。
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