経産省のスマート工場実証事業を日立製作所などが受託:スマートファクトリー
経済産業省が、第4次産業革命に向けた取り組みの1つとして推進するスマート工場の実証事業に対する委託先として、日立製作所、ムラテック情報システム、ミツイワの3社が採択された。
経済産業省では、IoT(Internet of Things、モノのインターネット)を活用した産業の変化に対する支援を強化している。製造業に対しては、ドイツのインダストリー4.0など、各国政府が積極的な支援策を示しており、各地で実証事業などが加速しているが、日本でもこれらの動きを促進するために2016年度から開始されたのが「IoT推進のための社会システム推進事業(スマート工場実証事業)」である。
2016年4月28日〜5月31日までの期間で公募したところ、8件の応募があり、外部有識者による審査委員会において厳正な審査を行い、採択事業者を決定した。
実証事業の内容としては、「生産現場の機器と生産管理などの業務系アプリケーションとのやりとりにかかるデータプロファイル標準の設定」をテーマとして、日立製作所が受託。「機器や設備などの標準的な予知保全モデルの構築」をテーマとしてムラテック情報システム、「工場現場の機器・設備などの生産ラインと業務系アプリケーションとの情報をやりとりするのに必要なSI(システムインテグレーション)業務プロセスの標準仕様の設定」としてミツイワが受託している。
また、「IoT推進のための社会システム推進事業(スマート工場実証事業)」の補助事業者としては、「受発注対応、開発、生産までを一体的に推進できるプラットフォームの実証事業」として、カブク、今野製作所、シタテル、ミスミが、「既存の工場を『スマート工場化』する実証事業」として、エクセディ、航空機部品生産協同組合、小島プレス工業、ジェイテクト、駿河精機/駿河生産プラットフォーム、ブリヂストン、YKKが受託している。
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