「ポリンキー、ポリンキー、サービスエリアの秘密はね…」人工知能で教えてくれる:人工知能ニュース
NEXCO東日本は、人工知能技術を活用した対話接客システムをサービスエリアに試験導入する。2017年3月までを実証実験の期間とし、実用化に向けた可能性や課題を探る。
東日本高速道路(NEXCO東日本)は2016年11月10日、人工知能(AI)技術を活用した対話接客システムの実証実験を行うと発表した。対話接客システムは、ホンダの子会社ホンダ リサーチ インスティチュート ジャパンの言語処理ソフトウェアを使用している。
場所は関越自動車道下り線の高坂サービスエリア(埼玉県東松山市)で、実施期間は2016年11月19日〜2017年3月31日まで。実用化は順次検討していく。
ホンダが技術供与
実証実験は高速道路の休憩施設でのサービス向上を図るのが目的で、NEXCO東日本は先進的な技術を積極的に活用していく方針だ。
高坂サービスエリアの施設内に設置したデジタルサイネージに対話接客システムを搭載する。画面上には湖池屋のキャラクター「スリーポリンキーズ」が表示されており、高速道路の交通情報やサービスエリアの施設や店舗の情報、周辺の観光などに関する質問に対して音声や画像、アニメーションで回答する。
対話接客システムの基盤となっているのは、ホンダ リサーチ インスティチュート ジャパンが開発した言語処理支援ソフトウェア「対話システムツールキット」だ。言語解析技術をパッケージ化したもので、異なる単語や表現であっても、同じものを指していれば意味を正しく認識するようにしている。
ホンダはこのソフトウェアの技術供与を始めており、NEXCO東日本とベンチャー企業のNextremer(ネクストリーマー)に提供した。ネクストリーマーは、自前の対話型インタフェース「MINARAI(ミナライ)」とホンダの対話システムツールキットを組み合わせ、会話を学習しながら知能を蓄積し、より高度な会話を実現する対話接客システムを開発した。
ミナライはAIと人間が協業できることに重点を置いており、AIと利用者の会話が破綻した場合には人間のオペレーターに引き継ぎ、AIにその会話パターンを学習させるシステムとなっている。なお、今回の実証実験ではオペレーターではなくサービスエリアの担当者が対応する。
ホンダは、さまざまな分野の企業に対話システムツールキットを提供していく考えだ。
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