ビッグデータ解析による清掃工場の最適運転管理システムを開発:製造IT導入事例
日立造船と東京二十三区清掃一部事務組合は、清掃工場における制御技術の高度化に関する調査・研究・技術開発分野で協力する。建て替え中の杉並清掃工場のビッグデータを解析し、高度な最適運転管理システムを開発する。
日立造船は2016年10月20日、清掃工場における制御技術の高度化に関する調査・研究・技術開発分野で、東京二十三区清掃一部事務組合(清掃一組)と協力することを発表した。今後、杉並清掃工場(東京都杉並区)のビッグデータを解析し、高度な最適運転管理システムを開発する。
清掃一組では現在、老朽化した杉並清掃工場の建て替え整備を進めている。日立造船と奥村組が共同で建設を行い、2017年に完工する予定だ。完工後は、清掃一組で管理運営を行う。
日立造船は、同清掃工場の従来の運転データに加え、運転予測・異常前兆の検知や機器の寿命予測などに必要となるデータを収集し、解析を行う。これを基に、運転条件の変化に対応しながら最適に制御する自立制御や、機器の稼働データを基にした予兆診断サービスなどを開発する。
また、燃焼状態を画像から判断し、運転を最適化する燃焼画像認識システム「CoSMoS」や、ごみバンカ内を3次元的に解析してごみの質を安定させる「ピット&クレーン3次元自動運転管理システム」を同清掃工場に導入する。さらに、高輝度光科学研究センター(JASRI)と共同開発した「ビッグデータ管理システム」などの新技術を採用することで、次世代のごみ焼却発電プラントとしての運転管理技術を提供する。
両者では、ごみ焼却温度や空気量、排ガス量など、清掃工場で得られるビッグデータを活用し、高度な知能化制御システムの開発に取り組むとしている。
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