ニュース
EtherCAT対応など工場のIoT対応を加速させる日立、まず「見える化」を提案:スマートファクトリー(2/2 ページ)
日立製作所は、ユーザーイベント「Hitachi Social Innovation Forum 2016 TOKYO」において、新たに発売したばかりのIoT対応産業用コントローラー「HXシリーズ」(日立産機システム製)を紹介した。
モバイル対応も実現、既に導入も進む
OPC-UAなどに対応することで、現場の生の情報をそのまま、タブレット端末などのスマートデバイスで閲覧することも可能となる。藤田氏は「常に機械に張り付いておく必要はなく、点検作業の回数などを減らすことなどにもつながる。現場の生産性向上にもつなげられる」とその価値を紹介する。
既に「HXシリーズ」については、数件の導入が進んでいるという。「『現場の見える化』を実現したい企業からの問い合わせが多い」と藤田氏は述べている。
日立グループでは、全社においてIoT基盤「Lumada」を推進。現場情報をつないでいくとともに、これらで得られたデータを分析し、新たな知見や新たなビジネスモデルを構築する取り組みを進めているが、そのためにはまず「オープン化」「ネットワーク化」した現場機器を普及させ、「見える化」によるメリットを訴求すべきという考えである。
藤田氏は「基本的には現場の機器については、標準的な規格に対応し、オープン化を進めていくことが重要であると考えている。それによりまずは『現場の見える化』を実現することがIoTによる製造現場革新の第一歩になる。『見える化』を実現することで現場のさまざまな改善点も見えてくる」と考えを述べている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 日立が実現したスマート工場、生産リードタイムを50%削減へ
日立製作所は、ユーザーイベント「Hitachi Social Innovation Forum 2016 TOKYO」において、同社大みか事業所におけるスマート工場化への取り組みを紹介した。同事業所では一連の取り組みにより、主要製品の生産リードタイムを50%削減できたという。 - IoT対応の産業用コントローラーを日立製作所が開発、2016年4月から展開
日立製作所と日立産機システム、日立産業制御ソリューションズは、IoTに対応した次世代産業用コントローラーを共同開発した。オープン化、高性能化、シンプル化が特徴。 - IoTによる製造業革新へ、EtherCATやOPC-UAに対応したPLC
日立産機システムは、エレクトロニクス・メカトロニクスの展示会「テクノフロンティア2016」(2016年4月20〜22日、幕張メッセ)において、IoT対応産業用コントローラーを核に、つながる製造現場のデモを披露した。 - 製造業に押し寄せるIoT活用の波、日立が第4次産業革命で抱える強みとは
IoTの活用などを含む第4次産業革命が大きな製造業にも大きな変化の波が訪れている。その中で日立製作所は新たなIoT基盤「Lumada」をリリース。大手企業の中では後発ともいえるが、同社は勝負のカギとして「OT」を挙げる。OTを担当する制御プラットフォーム統括本部にその強さを聞いた。 - 日立が描く第4次産業革命とは?
製造現場にITの波が押し寄せる中、総合電機としてさまざまな事業領域で製造現場と関わる他、自らも製造業としての製造現場を抱える日立製作所はどのように捉えているのだろうか。 - 第4次産業革命って結局何なの?
製造業の産業構造を大きく変えるといわれている「第4次産業革命」。しかし、そこで語られることは抽象的で、いまいちピンと来ません。本連載では、そうした疑問を解消するため、第4次産業革命で起こることや、必要となることについて分かりやすくお伝えするつもりです。第1回目はそもそもの「第4次産業革命とは何か」を紹介します。 - ドイツが描く第4次産業革命「インダストリー4.0」とは?【前編】
「インダストリー4.0(Industrie 4.0)」という言葉をご存じだろうか? 「インダストリー4.0」は、ドイツ政府が産官学の総力を結集しモノづくりの高度化を目指す戦略的プロジェクトだ。インダストリー4.0とは何なのか。同プロジェクトに参画するドイツBeckhoff Automationグループに所属する筆者が解説する。