先駆者が語るIoT、「日本は強い製造業で世界と勝負すべき」:製造業IoT(3/3 ページ)
IoT推進コンソーシアムは、2016年10月に開催された「CEATEC JAPAN 2016」会場において、IoT推進コンソーシアム総会を実施。その中で、IoTに関する先駆者たちを集めたパネルディスカッションを開催した。
IoTにおける日本の役割
IoTを実現するには国際連携が重要だとされているが、その中でも日本はどのような役割を果たしていけばいいだろうか。
PFNの西川氏は「製造業」の重要性を訴える。「IoTは産業の枠を超えて融合していくことで価値を生み出す。その中で日本はITは弱いが製造業は強い。モノを作るという価値は大きなものがあるので、この製造業の力を使って世界にキャッチアップしていける」と考えを述べている。
一方、ソラコムの玉川氏も日本の価値を「製造業」だという。「日本は製造業が強く、以前からM2Mなどによりモノをネットワークでつなぐことなどにも取り組んできた。日本の先進的なテクノロジーを活用し、これらをさらに発展させるリファレンスアーキテクチャーを作りたい」と玉川氏は述べている。
IICのクロフォード氏は「もっと関わりを持つべきだ」と日本企業に呼びかける。「イノベーティブな精神が、日本にあるのを知っている。重要なのは、国際的な舞台でもっと影響力を発揮することだ。今以上に参加することが必要である。ISOやIECなどの標準化の動きだけでなく、IICを含めたコンソーシアム活動も同様である。重要なのは日本が求める要件や要求を含めていくということだ。こうした活動がIoTの世界全体の強化につながる」とクロフォード氏は述べている。
オープンフォグコンソーシアムのフェダーズ氏は「日本はユニークなポジションにある」と述べる。「日本の文化や社会的な観点、文化的な観点をもっと世界に発信すべきだ。ロボットの受け入れなどもこんなに進んでいる国は他にはない。こうした知見は世界的に見ても重要である」とフェダーズ氏は強調する。
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