生産ラインのロボットを一括コントロール、競合他社製品も制御可能:産業用ロボット(3/3 ページ)
ヤマハ発動機は自動化生産ラインを低コスト、短期間で構築可能とし、インダストリー4.0などのIoT活用への対応力を高めた統合制御型ロボットシステムを開発。2016年12月1日から販売を開始する。
ロボット製品も順次統合プラットフォーム対応に入れ替え
ヤマハ発動機のロボット製品についても順次、統合プラットフォームに最適に対応した製品への入れ替えを図る予定である。新たにスカラーロボットや単軸ロボット、リニアコンベアモジュールなども新たな製品を2016年12月1日に発売する。
スカラーロボットの新製品「YKX」シリーズはフルモデルチェンジする。独自のモーター減速機直結構造(完全ベルトレス構造)と駆動系の強化により、高剛性化と高速化を実現。ツールやワークを保持した実用状態での動作性能を向上しており、アーム長400mmモデルでは、標準サイクルタイムが0.28秒と業界最速クラスを実現しているという。価格は従来製品の同サイズの価格と比べ「少しだけ高いが同程度の価格帯を想定している」(村松氏)。
単軸ロボットは、ACサーボモータ仕様の「GX」シリーズと、ステッピングモータ仕様の「YLE」シリーズを用意する。「GX」シリーズには、高效率で高精度な研削ボールねじを、全品種に標準採用。リード精度は、JIS規格の精度等級C5、繰り返し位置決め精度は従来比約2倍の±0.005mmを実現しており、静音化や長寿命化も実現している。一方、「YLE」シリーズは、小型タイプを中心としたラインアップを強化し、スライダタイプ、ロッドタイプ、スライドテーブルタイプ、ロータリータイプ、グリッパタイプ、ミニチュアタイプの全6タイプ69機種180バリエーションを新たにラインアップしている。価格は「GXシリーズについては従来機種同等の価格、YLEシリーズについてはヤマハ発動機にとっては新ラインアップとなるが、市場の相場価格同等の価格帯としている」(村松氏)。
リニアコンベヤーモジュール「LCM-X」も新発売する。従来モデル比で高さを抑え、スペース効率を大幅に向上させた他、搬送精度と加減速性能を大幅に高めることで、これまで以上に高度な搬送自動化を実現する。原点復帰が不要な完全アブソリュート方式とする他、動作全領域でのスライダのID認識、落下異物からガイドレールやモータ、センサーを保護するための天面フルカバー、各モジュールの機械的位置決めと電気的接続をワンタッチで実現するコネクションユニットなどを用意し、使い勝手を高めている。価格については「同じ長さの場合は従来製品比で約半額」(村松氏)としている。
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