知的保全技術を建機稼働システムの高度なデータ解析に適用:製造IT導入事例
電通国際情報サービスは、同社の提供する知的保全技術が、小松製作所の建機稼働管理システムのデータ解析業務に適用されたと発表した。無人ダンプトラック運行システムなど、各種建設機械の高度な稼働データ解析に活用される。
電通国際情報サービス(ISID)は2016年9月26日、同社の提供する知的保全技術が、小松製作所の建機稼働管理システム「KOMTRAX Plus」のデータ解析業務に適用されたと発表した。無人ダンプトラック運行システム「AHS」など、各種建設機械の高度な稼働データ解析に活用され、ダウンタイムの最小化やオペレーションコストの最適化への貢献が期待されるとしている。
ISIDの知的保全ソリューションは、製品や設備に組み込まれたセンサーやコントローラーからの監視データを用いて、動作条件や設置環境などによる状態変化を多面的に分析し、これまで予測できなかった故障や残寿命期間などを検知可能にするものだ。ISIDでは、この分野での先進技術とノウハウを持つ米プレディクトロニクスとの提携により、データ解析やコンサルティングのサービスを国内製造業向けに提供している。
一方、小松製作所では、1998年に独自の建機稼働管理システムKOMTRAXを開発し、2001年に標準装備して、IoT(モノのインターネット)の先駆的事例となった。その後も無人ダンプトラック運行システムや、ICT建機を活用した施工ソリューション「スマートコンストラクション」など、IT技術を活用したサービスを展開している。
IoT分野において、製品や設備の稼働データをもとに故障を高精度に予測する予知保全領域に注目が集まる中、小松製作所では、実績データを用いて数カ月にわたる評価検証を行った。その結果、解析の精度が従来の手法を上回ったISIDの技術を適用することとなった。
同技術について、小松製作所では、まずは鉱山などの野外環境で稼働するダンプトラックの稼働データ解析に適用し、その後さらに適用範囲を拡大していく計画だという。
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