ヘルスケアIoTコンソーシアムを設立:医療機器ニュース
新エネルギー・産業技術総合開発機構は、事業委託先の北海道大学、ニューチャーネットワークスが「ヘルスケアIoTコンソーシアム」を設立したと発表した。ヘルスケア情報を個人が自分の意志と権限で流通させる社会基盤づくりの確立を目指す。
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は2016年9月9日、事業委託先の北海道大学、ニューチャーネットワークスが、東京大学、広島市立大学、インタセクト・コミュニケーションズなどとともに「ヘルスケアIoTコンソーシアム」を設立し、キックオフ総会を開催したと発表した。
ウェアラブルセンサーによって収集される生体情報は、ユーザー自身だけでなく、サービス提供者なども利用できるが、その活用実態をユーザー側は知ることができないといった課題がある。そこで、個人が自分の意志と権限でヘルスケア情報を流通させ、健康増進に向けて個人に合わせた行動変容をアシストする社会基盤づくりを確立するため、同コンソーシアムが設立された。
具体的には、「ヘルスケア情報を個人に集め、個人が自分の意志と権限で、企業、産業横断的に流通させる社会の創造」「健康情報を企業、産業横断的に流通させるセキュアなIoTプラットフォームの構築」「個人がヘルスケアデータを提供し、自身の健康増進のために行動変容を起こす動機となるサービスの提供」の3つを目的とする。
活動内容としては、健康データ流通横断プラットフォームの開発、データ流通に伴うAPIなどの共通化・標準化企画、健康データを活用した新規サービスの創出と事業化支援、データ流通やサービス化に伴う法制度・グレーゾーンへの対応、ヘルスケアIoT関連セミナーやワークショップの開催などを挙げている。
これらの背景には、先述の課題に加えて、対象となるのが個人健康情報であるため、セキュリティへの要求が高くなること、制度・規制にグレーゾーンがあるなどの問題がある。ヘルスケアIoTコンソーシアムは、活動を通じて、ヘルスケア関連産業の活性化や新規需要の創出支援、国民医療の経済性向上を目指すとしている。
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