マイコン1つで複数モーターを操る、制御モジュール「A4988」を学ぶ:Arduinoで学ぶ基礎からのモーター制御(10)(3/4 ページ)
ステッピングモーターに制御用ドライバモジュールを組み合わせると、用途の幅がグッと広がります。今回は3Dプリンタなどで、バイポーラ型ステッピングモーターの制御モジュールとしてよく利用されている「A4988」の扱いを学びます。
A4988の基本動作を押さえる
次の図はA4988モジュールの基本動作を確認するための回路図です。マイコンで制御する前にタクトスイッチを手で押して基本動作を確認します。
STEPとDIRにそれぞれタクトスイッチを接続します。それぞれの入力は10KΩの抵抗でプルアップされています。タクトスイッチを押下することにより0またはLOW、開放することにより1またはHIGHの信号を生成します。/SLEEPと/RSTはお互いに接続します。VMOTには今回は12Vを接続します。これは駆動するステッピングモーターの仕様で決定します。VMOTとGND間には電解コンデンサーを入れます。
今回使用するステッピングモーターのコイル間の抵抗は実測値で約12Ωです。これを12Vで駆動しますので、オームの法則により1A流れることになります。電圧・電流とも先ほど示した最大定格を下回っていますので、安心ですね。以上の回路をブレッドボードに実装した図が以下の通りです。
STEP側に接続したタクトスイッチを押すたび、ステッピングモーターが1ステップごと回転することを確認してください。またDIR側のタクトスイッチを押しながらSTEP側のタクトスイッチを押すと、先ほどは逆にステッピングモーターの軸が回転するはずです。
次の図が上記動作を実験中の写真です。
Arduinoで回してみる
A4988の基本動作を確認できましたので、早速、ArduinoをA4988に接続してステッピングモーターを回してみましょう。次の図はArduinoをA4988に接続した回路図です。
ArduinoのD3をSTEPに、D4をDIRに接続します。次の図が上記回路をブレッドボードに実装した図です。
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