定番IC「TA7291A」でバイポーラ型ステッピングモーターを駆動する:Arduinoで学ぶ基礎からのモーター制御(9)(3/4 ページ)
ステッピングモーターを制御する時、トランジスタで回路を組んでもよいのですが、制御用ICなどを用いる方が便利です。今回は定番IC「TA7291A」でバイポーラ型ステッピングモーターを制御します。
TP7291でマブチモーターを回す
バイポーラ型ステッピングモーターを駆動する前に、TA7291Pの動作を確かめるため、直流ブラシ付きモーターをつないでTP7291Pの動作を確かめてみます。
本来この話は直流ブラシ付きモーターのところでお話しすべきだったのですが、このデバイスを取り上げる機会がなかったので、TP7291Aの基本動作を抑えるためにも、また直流ブラシ付きモーターの正転・逆転制御の復習という意味もありここでお話しすることにしました。
OUT1とOUT2に直流ブラシ付きモーターのそれぞれのリード線を接続します。TP7291AのIN1とIN2の入力端子にはタクトスイッチをそれぞれ接続しています。それぞれの入力にはグランドの間に10KΩの抵抗が入っていますので、タクトスイッチが開いていいるときは0、閉じたとき入力が1となる回路となっています。
ブレッドボード右下のリード線の赤には制御電圧のプラス5V、黒いリード線には制御用電源のグランドを接続します。
2つのタクトスイッチのうちどちらか一方のみ押すとモーターは回転します。また、もう片方のタクトスイッチのみを押すと先ほどとは逆にモーターは回転します。これがTP7291Aの基本的な動作です。下の図でTP7291Aの動作を詳しく説明します。
両方のスイッチが開放されているとき、モードはストップという状態になります。これはモーターの両端子はどこにもつながっていない状態です。もし今まで回っていたのなら惰性でしばらく回り続けます。また回っていない状態であれば外部からの力でほとんど抵抗なく回すことができます。
今度は両方のスイッチが閉じたときですが、この場合のモードはブレーキ状態となります。モーターの両端子はグランドに接続され、もし今まで回っていた状態であれば回転が直ちに停止します。もし回っていない状態であれば、外部から回そうとするとそれなりの抵抗を感じるでしょう。
「IN1が1で、IN2が0」の場合を見てみましょう。OUT1がプラス電圧、OUT2がグランドとなりますので、電流はOUT1からOUT2に流れます。「IN1が0で、IN2が1」の場合はOUT2からOUT1に向かって電流が流れます。このようにIN1とIN2に与える値によりOUT1とOUT2の電流の向きを変えることによって、モーターの回転方向を制御しているのです。
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