ニュース
ロボット新戦略を追い風に、“姿勢”に最適化したセンサーをパナソニックが開発:産業用ロボット(2/2 ページ)
パナソニックは、ロボットの姿勢検知用途に絞り込み、センサーを組み合わせてパッケージ化した「モーションセンシングユニット」を開発。ロボット新戦略などにより、需要が増すロボットの開発を簡略化し、開発期間やコストを低減する狙いだ。
搬送車の移動時間を短縮し作業量拡大
同センシングユニットによりロボットの姿勢検知を行えるようになることで、ロボットなどがより高速で移動でき高精度の動作を行うことができるとしている。例えば、搬送ロボットなどで荷台の姿勢制御を行うことで安定して稼働できる速度を高めることができ、搬送時間を短縮することなどが可能となる。実際にパナソニックが測定した結果では、搬送速度が上がることで搬送効率を約1.5倍に引き上げることに成功した他、走行精度が向上したことで、直進時誤差を3分の1以下に低減することに成功したとしている。
【動画】パナソニックのロボット用モーションセンサーのデモ
移動式産業用ロボットアーム市場などにも活路
用途としては、搬送ロボットや飛行ロボット、作業用ロボット、対話ロボットなどを想定している。ロボット関連市場への新規参入企業の他、既存の産業用ロボット市場に対しても「最近は人との協調ロボットなども含め、ロボットアームを搬送車に載せて移動し作業を行うような市場が生まれてきている。こうした移動体には姿勢制御が必要になるのでニーズがあると考えている」(大森氏)。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 姿勢情報を高精度検出する、パナソニックのロボット用センシングユニット
パナソニックがジャイロと加速度センサーを組み合わせ、高精度な姿勢情報を検出するロボット用センシングユニットを開発した。事前にパラメーターを設定しての出荷にも対応する。 - いまさら聞けない産業用ロボット入門〔前編〕
日本は「ロボット大国」とも呼ばれていますが、その根幹を支えているのが「産業用ロボット」です。それは世界の産業用ロボット市場で圧倒的に日本企業がシェアを握っているからです。では、この産業用ロボットについてあなたはどれくらい知っていますか? 今やあらゆるモノの製造に欠かせない産業用ロボットの本質と基礎を解説します。 - 産業用ロボットの“目”が11億円を新たに調達、「知能ロボット研究所」も開設予定
3次元ロボットビジョンシステムを開発・販売する三次元メディアは、産業革新機構とスパークス・グループ、三菱UFJキャピタルを引受先とする、第三者割当増資を行い、11億円を上限とする資金調達を行う。量産化に向けた技術開発と、販売体制の強化に使用するという。 - ロボットの画像認識プログラム、機械学習で自動生成する技術が商品化
富士通は、「富士通フォーラム2016 東京」において、産業用ロボットなどの画像認識アルゴリズムを自動生成する技術を製品化し販売を開始したことを明らかにした。 - 人と戦うために生まれたロボット「電王手さん」は“人へのやさしさ”でできている
人工知能やロボット技術の進化で、「人間 対 機械」のさまざまな対決に関心が集まっているが、2011年からプロ棋士とコンピュータが将棋の対局を行ってきたのが「電王戦」である。「電王戦」では2014年から指し手としてデンソーウェーブの産業用ロボットを採用している。この「人間 対 機械」の最前線に立つ「指し手ロボ」の開発担当者は、産業用ロボットの未来に何を見たのか。 - 製造現場での普及を2倍に、ロボット新戦略が目指すロボットと共に働く未来
日本政府が主催する「ロボット革命実現会議」は、ロボット活用の技術的および規制面でのロードマップを示した「ロボット新戦略」を発表した。本稿では、この新戦略の中で示されている「モノづくり」分野への取り組みにフォーカスし、その内容を紹介する。