建設現場をデジタル化、必須アイテム“野帳”をタブレットで:情報化施工(2/2 ページ)
ソフトウェア開発会社のMetaMoJiは、大林組との共同開発でiOS用のデジタル野帳「eYACHO for Business」を開発し、提供を開始した。
新バージョンの特徴は「共同作業」
野帳のデジタル化に向け、紙の野帳と同様の使い勝手を維持しつつ、自動計算や関連情報のタグ付け、写真などの貼付など、デジタルならではの価値を加えた「eYACHO」だが、新バージョン「eYACHO for Business」の大きな特徴が、作成したノートや報告書をすぐにクラウドに送り共有できる「共有ドライブ」である。複数のメンバーで同じ情報を共有でき、作業の進行状況などを離れていても確認することができる。また人事や総務などの本社のメンバーが、現場の情報や作業状況などを確認し、それに伴う対応などを即座にとることなどが可能となる。
その他、現場のスケジュールをノートから参照できる「カレンダーユニット」やプログラミングなしに現場ごとの定型フォームを作成可能な「フォームデザイン」、カスタマイズしたテンプレートやアイテムなどをチームで共有できる「コンテンツ配信」などの機能を加えている。価格は5ライセンスで年間10万円である。
大林組以外の建設会社にも提供を
建設業界にとって建設現場の生産性向上は長年の大きな課題である。その解決策の1つとしてICT(情報通信技術)の活用は注目を集めている。「eYACHO」はMetaMoJiと大林組が共同開発したものだが今後は大林組以外の建設会社にも積極的に提案を進めていく。
「同様の課題は他の建設事業者も抱えている。より幅広い建設現場で活用していただき、現場作業の生産性向上に貢献していきたい」とMetaMoJi代表取締役社長の浮川和宣氏は述べている。
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