建設現場をデジタル化、必須アイテム“野帳”をタブレットで:情報化施工(1/2 ページ)
ソフトウェア開発会社のMetaMoJiは、大林組との共同開発でiOS用のデジタル野帳「eYACHO for Business」を開発し、提供を開始した。
ソフトウェア開発会社のMetaMoJiは2016年6月1日、大林組との共同開発でiOS用のデジタル野帳「eYACHO for Business」の開発を発表。同年6月2日から提供を開始した。
野帳とは、建設現場の管理者などが使用する野外使用用のメモで、建設現場での必須アイテムとされてきた。「eYACHO」はもともと大手ゼネコンである大林組が業務効率化を推進するために現場の管理者にタブレット(iPad)を配布。その利用率を高めるために、野帳のデジタル化を検討し、MetaMoJiに共同開発を持ち掛けたことがきっかけである。その後、2015年6月に「Ver1.0」をリリースし、2015年8月には同バージョンを大林組内で一斉展開を開始。これらの実績を踏まえて、今回の「Ver2.0」となる「eYACHO for Business」の開発にも協力した。
大林組 グローバルICT推進室 副部長兼技術課長である堀内英行氏は「Ver1.0では、手書き入力、日付管理、表計算、ToDo機能、専用テンプレなど、さまざまな機能を搭載してもらったが、Ver2.0では、データ共有機能を新規で追加。さらにその多機能のブラッシュアップも進み、現場と本部の連携などにも効果を発揮するようになった」と述べている。
さらに現場で実際に使用しているという大林組 南青山3丁目工事事務所主任の川崎亮太氏は「使い始めるまではなかなか踏み切れなかったが、ICT推進担当者になったこともあり思い切って、紙の野帳を捨てて、eYACHO一本で使い始めたことで利便性に気付いた。従来は図面などをたくさんのものを現場で持ち歩く必要があったが、iPad1つを持ち歩くだけで完結できるようになった。従来は事務所で行っていた作業を現場で終わらせることなども可能になった」とその効果について語っている。
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