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伊勢志摩サミットの自動運転車、トヨタ日産が新型投入もホンダは従来モデル:自動運転技術(2/2 ページ)
三重県伊勢志摩で開幕した「伊勢志摩サミット」に合わせて、トヨタ自動車、日産自動車、ホンダが自動運転車の走行デモンストレーションを行った。トヨタ自動車と日産自動車は新開発の自動運転車を投入している。
日産は小型レーザースキャナー+8カメラシステムを搭載
日産自動車が伊勢志摩サミットに提供した自動運転車は、従来モデルと同様に電気自動車「リーフ」がベース車になっている。同社が2016年から市場導入を計画している自動運転システム「プロパイロット」を搭載しており、ミリ波レーダー、レーザースキャナー、車載カメラ、専用のHMI(Human Machine Interface)などが組み込まれている。
今回の自動運転車では、2015年から日本と米国の一般道/高速道路でテストを重ねてきた2つの新技術を採用した。1つは、世界最先端の小型/高性能レーザースキャナーである。車両の前後左右に1個ずつ、計4個搭載している。高精度な3次元計測により、車両周囲の物体との距離を正確に把握しながら安全に走行することができるという。
もう1つは、車両周囲360度の視野を遠方まで確保できる8カメラシステムだ。走行方向の状況を確認しづらい交差点やきついカーブ路を走るときに、クルマの進む方向を的確に決めることができる。これらの他、ミリ波レーダーも5個搭載している。
なお日産自動車は、2016年中に、混雑した高速道路上で自動運転が可能になる「プロパイロット1.0」を日本市場に導入する計画だ。2018年には、高速道路での車線変更の自動的に行える自動運転技術の実用化を、2020年までに交差点を含む一般道での自動運転技術の投入を目指している。
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