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2016年度のスズキは55万台の軽自動車を“丁寧に”売る製造マネジメントニュース

スズキは、2016年3月期(2015年度)決算を発表した。四輪/二輪ともに世界販売台数は前期を下回ったが、四輪の商品ミックスが改善したことにより増収増益となった。2017年3月期(2016年度)の業績見通しは、インドルピーを中心に為替が現地通貨高で推移する為替差損を織り込み減収減益を見込んでいる。

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 スズキは2016年5月10日、東京都内で会見を開き、2016年3月期(2015年度)決算を発表した。四輪/二輪ともに世界販売台数は前期を下回ったが、四輪の商品ミックスが改善したことにより増収増益となった。2017年3月期(2016年度)の業績見通しは、インドルピーを中心に為替が現地通貨高で推移するため減収減益を見込んでいる。2017年3月期は四輪世界販売台数で前期比9万5000台増の295万6000台を目指す。

写真左からスズキ会長の鈴木修氏と同社社長の鈴木俊宏氏
写真左からスズキ会長の鈴木修氏と同社社長の鈴木俊宏氏(クリックして拡大)

 2016年3月期の業績は売上高が前期比5.5%増の3兆1807億円、営業利益が同8.9%増の1953億円、当期純利益は同20.4%増の1167億円だった。四輪の世界販売台数は286万1000台だった。インドでは前期比11.5%増の130万5000台で過去最高を記録した他、パキスタンや欧州で販売台数が増加。パキスタンではタクシー向け車両の特需が、欧州ではSUV「ビターラ」の投入が寄与した。一方、日本や中国、インドネシアで減少した。日本での販売台数は63万台で、うち54万9000台が軽自動車だった。

 2017年3月期の世界販売台数は、インドが前期比7%増、欧州は同10.7%増のプラス成長を見込み、295万6000台を想定している。日本の販売台数は前期比3%増の65万台となる見通しだ。このうち55万台を軽自動車で、10万台を登録車でまかなう。

軽自動車は秋葉原で売られてもおかしくない

 会見に出席したスズキ 会長の鈴木修氏は、2016年度の軽自動車市場の予測を「最低でも160万台、消費増税の駆け込み需要は加味していない」と説明した。また、シェアについては「30%=55万台を確保する計画」(鈴木氏)だとする。

 シェア争いで一喜一憂するのではなく「1台1台を大切に、丁寧に売るやり方に向けて大幅に方向転換しなければならない」(同氏)。というのも、これまでの“行儀の悪い売り方”では、販売店が自社名義で届け出た車両が中古車市場に出回り、新車よりも割安だが新車同然の中古車として本来の新車販売と食い合いになってしまった経緯があるからだ。

 こうした状況を踏まえ、「2015年10月以降、行儀の悪い売り方を改めようと取り組んできた。このままでは、軽自動車は白物家電になってしまう。秋葉原で売られていてもおかしくなくなる」(同氏)という危機感があったためだ。

 2016年度の国内新車販売は、軽自動車を丁寧に売りながら、登録車は10万台という販売目標に向けて足場を固める。「ハンガリーだけでなく、インドから小型車『バレーノ』の輸入も始めた。国内の相良工場は2勤体制とし、販売10万台に向けた体制が整った。10万台は“最低でも”という目標だ」(同氏)。

燃費競争はない、開発全体の競争だ

 会見では、三菱自動車の燃費不正問題に関連した質問が複数出た。これに対し鈴木氏は、燃費向上が全てではないことを強調した。「軽自動車に魅力を持たせ続けるには、コストと品質、燃費を総合的に考える必要がある。田舎に行くほど軽自動車の需要は大きいが、品質と経済性を兼ね備えたキラリと光るクルマでなければ受け入れてもらえない。ユーザーは賢明にクルマを見ている」(同氏)。また、「メーカーが複数ある以上は競争が発生して当然。しかし、燃費だけを競っているということは決してない」(同氏)と付け加えた。

 なお、2017年3月期の通期業績は、売上高が前期比2.5%減の3兆1000億円、営業利益が同7.8%減の1800億円、当期純利益は同20.3%減の930億円を計画している。

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