自動監視機能を統合・拡張し、クラウドにも対応した新たなIoTサービス:製造ITニュース
日立情報通信エンジニアリングは、従来の「温度監視サービス」の機能に、モバイル回線によるデータ収集や機器の監視・制御を加えて拡張した「スマートIoTサービス」の提供を開始した。
日立情報通信エンジニアリングは2016年4月21日、「IoT(モノのインターネット)/M2M(Machine to Machine)情報収集ソリューション」の機能を拡張した「スマートIoTサービス」の提供を開始した。
同社はこれまで「温度監視サービス」により、リアルタイムなデータ収集とその見える化、24時間監視による異常検知や警報通知機能を提供してきた。今回の新サービスには、モバイル回線によるデータ収集や空調機器の監視・制御が加わった。
また、温度の監視だけでなく、電力・湿度・CO2濃度などの環境データをはじめ、産業用機器から収集される稼働データまで拡張し、EMS(Energy Management System)や産業用設備に向けた、幅広い自動監視が可能になった。
同サービスを導入した場合、例えば飲食関連の企業では、従来の冷蔵庫温度監視サービスに空調機器の情報収集・制御を付帯させることで、遠隔温度監視と省エネが両立でき、運用コストの低減や信頼性の高い食品衛生管理が可能になる。産業分野で機器や設備に適用すれば、予防保全に必要なデータ収集と稼働状態の監視ができ、計画外の設備停止の回避や保守コストの低減につながる。
同サービスは、クラウドで提供され、クラウド環境やシステムの構築、保守サービスも提供する。モバイル回線を利用したデータ収集やメール・電話による警報通知、また収集データのレポーティングにも対応する。
また、同社のノウハウを生かし、短期間での導入・運用開始が可能だ。現在使用しているインフラ設備や機器、センサー類を流用することで、過去の投資を無駄なく活用できる。さらに、顧客の要件に合わせて中小規模から大規模、複数拠点の展開など段階的なシステム拡張もできる。
価格は、標準サービスが1通知先あたり月額4000円まで、測定ポイントごとに月額400円(いずれも税別)。電話やFAXによる通報、モバイル通信などのサービスはオプションで、サービスを利用するための初期導入費が別途必要となる。
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