医用画像をクラウド上で閲覧、保管、管理できるシステムサービス:医療機器ニュース
キヤノンマーケティングジャパンは、医用画像クラウドサービス基盤「Medical Image Place」を拡充し、医療施設内の医用画像をクラウド上で閲覧、保管、管理できる「医用画像システムサービス」を開始した。
キヤノンマーケティングジャパンは2016年4月15日、医用画像クラウドサービス基盤「Medical Image Place(メディカルイメージプレイス)」を拡充し、医療施設内の医用画像をクラウド上で閲覧、保管、管理できる「医用画像システムサービス」を開始した。
昨今の診療報酬改定を機に、CT(コンピュータ断層撮影装置)やMRI(磁気共鳴画像装置)など高度な画像診断機器の共同利用が推進され、地域医療連携のニーズが高まっている。また、医療施設内で発生する医用画像データ量の増加に伴い、保管が義務付けられている医用画像データを医療機関内で保管、管理する負荷が拡大しているという。
そこで同社は、医用画像クラウドサービス基盤「Medical Image Place」をベースに、医用画像を簡単に連携、共有できる「医用画像システムサービス」の提供を開始した。このサービスを利用することで、医師はCTやMRI、X線撮影装置などで撮影した患者の検査画像をクラウド上で保管でき、必要に応じて医用画像を閲覧できる。特別なソフトウェアをインストールする必要がなく、Webブラウザで動作するため、画像参照時に場所を選ばない。
医用画像の閲覧に、キヤノンが提供する「統合医療画像管理システム」の画像俯瞰(ふかん)機能を活用することで、画像種別と時系列のマトリックスで表示できる。X線一般撮影画像やCTなどのDICOM画像だけでなく、デジタルカメラで撮影した静止画や動画、紙の紹介状や診断書の文書データまで、患者ごとに一覧でマトリックス表示することが可能だ。
また、「Medical Image Place」専用端末を施設内に設置することで、クラウドの通信形態が各省庁のガイドラインに準拠した高度なセキュリティ環境を構築できる。さらに、従来の設置型PACS(医用画像管理システム)で必要な、サーバ・ソフトウェアの購入や複雑なネットワーク構築、保守サービスへの加入などが不要で、サーバやソフトウェアをクラウド経由で必要に応じて利用することができ、システムの保守サービスを最小限に抑えられる。
このサービスにより、かかりつけのクリニックで撮影された画像がクラウドサービス基盤に保管され、在宅で診療する場合に過去の画像をタブレットから確認できるようになる。また、夜間や救急時に専門医が自宅の端末を利用すれば、病院にかけつけることなく画像を迅速に確認することができる。地域内で連携している病院とクリニックを結ぶオンライン検査予約機能も搭載。連携先の病院で実施した検査の画像や読影レポートはWeb上から閲覧可能だ。
サービス利用料は、初期費用に加え、保管容量に応じた利用料が必要となる。
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