「MREAL」と「3Dプリンタ」がモノづくりを加速――キヤノンMJ、3Dソリューション事業を展開:製造ITニュース(1/2 ページ)
キヤノンマーケティングジャパンは、ビジネスソリューション分野の新たな成長エンジンとして、「3Dソリューション事業」の立ち上げを発表。これに伴い、3D Systems社製の3Dプリンタの取り扱いラインアップを強化した。
キヤノンマーケティングジャパンは2014年4月10日、同社のビジネスソリューション分野(BSセグメント)の新たな成長エンジンとして、「3Dソリューション事業」の立ち上げを発表した。
これに伴い、一次販売店として、3D Systems社製の3Dプリンタの取り扱いラインアップを強化。2013年11月より産業機器セグメントで取り扱ってきた、プロダクション3Dプリンタに加え、新たに、ミドル〜ローエンドクラスの3Dプリンタ製品群の販売を開始する。また、同じく3D Systems社の3Dスキャナーの取り扱いについても現在契約締結に向け調整中とのことだ。
同社は、3D Systems社製の3Dプリンタと3Dスキャナー、キヤノンITソリューションズが手掛けるMR(Mixed Reality:複合現実感)システム「MREAL」、3次元CAD「SolidWorks」(SolidWorksの代理店として販売)を組み合わせた3Dソリューションを新事業として展開。既存事業の継続成長とともに、3Dデータを軸とした新たなビジネス領域に挑戦する。
オフィスからモノづくりの現場へ――ビジネス領域を拡大
近年注目されている3Dプリンタだが、同社の試算によると、2016年の法人向け3Dプリンタ市場(装置・材料・保守を含む)は、260億円にもなるという。同社は3Dソリューション事業により、そのうち約20%のマーケットシェアを獲得し、3Dプリンタ事業だけで50億円規模の売り上げを見込む。さらに、キヤノンITソリューションズが販売するMREALやSolidWorksなどの売り上げを加えることで、グループ全体で100億円以上の売り上げ目標(2016年)を掲げる。
これまで同社がオフィス(総務やIT部門)に対してビジネスを行ってきた、プリンタ/MFP(複合機)の領域は競争の激化とコモディティ化が進み、マーケットとしての大きな成長が見込めないという。そこで、同社は今後の成長戦略の一環として、ビジネス領域を拡大。製造、建築・建設、教育、医療(将来的に検討)といった新領域に対し、MREALや3Dプリンタといった3D関連のソリューションやサービスを提供することで、新たなビジネスを作り出したい考えだ。
キヤノンマーケティングジャパン BSマーケティング統括本部 ドキュメントソリューション企画本部 ソリューション企画課 課長の梶山良幸氏は「これまで、キヤノンITソリューションズが展開してきたMRシステムや3次元CADを軸とした事業に、3D Systems社の3Dプリンタと3Dスキャナーが加わることで、3Dデータのインプットからアウトプットまでを包括的にカバーできるようになった。これにより、各分野に最適化された3Dコンテンツを活用したソリューションやサービスを提供できる。例えば、製造業における企画・デザイン・設計・品質保証の領域などでは、3DプリンタやMREALがメインのターゲットになっていくだろう」と述べる。
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