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産業へと成長するドローン、「ジャパン・ドローン2016」に見る現状と可能性(4/4 ページ)
本格的なドローンの展示会「ジャパン・ドローン」が開催された。ホビー的なガジェットではなく、新産業として離陸しようとしているドローンの現状と可能性を会場からお伝えする。
形になろうとしているドローン産業
ドローンを巡っては2015年9月に改正航空法が成立し、人口密集地や夜間の飛行などが規制された(改正航空法の施行は同年12月10日)。
こうした動きを受けて、JUIDA(日本UAS産業振興協議会)がゼンリンやブルーイノベーションと共同開発しているのが、ドローン専用飛行支援地図サービスだ。細かく設定される飛行可能なエリア、禁止エリア、原子力発電所、発電所、自衛隊基地など危険エリアを地図上にナビゲートするというもの。飛行申請をサポートする機能や、管理デバイスをドローンに取り付けることで飛行をロギングするなどの機能を検討しているという。
飛行エリアが屋内あるいは閉域に限定できるならば、あえて有線で給電しようとドローン用有線給電ユニットであったり、電動リールのミヤマエがドローン向けに展開する「ミヤ・ドローン」(ドローンと電動リールをつなぎ、ドローンの“野良化”を防ぐ)などの展示もあった。
このほかドローン大手のDJIが、ドローン機体向けの保険サービス「DJIドローン機体保険」を提供開始(2016年3月24日より)するなど、ドローンについては新機種開発や既存サービスの拡張にとどまらないビジネス化の動きが起きている。ドローンの業務活用が実用フェーズに入れば、当然必要になるこれらの関連サービスの登場は、まさにドローンが産業として形になりつつあることを示している。
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