「タチコマ」が2つの姿で実体化、コミュニケーションロボットの社会実装に挑む
攻殻機動隊シリーズに登場する「タチコマ」が2つの姿で実体化する。2分の1モデルは「タチコマを題材にしたコミュニケーションロボットの社会実装」をテーマとし、コレクターズアイテム以上の存在を目指す。
アニメ「攻殻機動隊」シリーズに登場する多足戦車、「タチコマ」が2つの姿で現実世界に姿を現す。
攻殻機動隊の世界観を現実のものとするプロジェクト「攻殻機動隊 REALIZE PROJECT」のイベントにて発表されたもので、REALIZE(現実化)を念頭とした2分の1モデルと、走行機能とネット連動を実装した10分1モデルが開発される。
2分の1モデルはKarakuri productsと海内工業が2015年の国際ロボット展に展示した「多脚ロボットプロジェクト」を出発点に、軽量化した二次試作機「MUSASHI」がプロモーションの一環として採用され、「タチコマ1/2サイズ・リアライズプロジェクト」として「攻殻機動隊 REALIZE PROJECT」の公式として開発が行われる。
開発に際しては「タチコマを題材にしたコミュニケーションロボットの社会実装に挑みます」とのメッセージが添えられており、コレクターズアイテム以上の存在を目指していることが伺える。
設計開発および製造はKarakuri productsと海内工業が担当し、監修は攻殻機動隊 製作委員会(Production I.G.)、総合プロデュースはDMM.comと攻殻機動隊 REALIZE PROJECTがそれぞれ務める。技術協力企業としてはオートデスク、ストラタシス・ジャパン、タスカケル、日本遠隔制御、面白法人カヤックが参加し、技術指導協力としては山本隆司氏、吉村浩一氏(bloomakeLab代表)が名を連ねている。
10分の1モデルはCerevoの開発によるもので、現時点では開発発表にとどまっており価格を含む仕様の詳細は明らかにされていないが、作中同様の歩行および車輪による走行機能を実装し、スマートフォンやインターネットと連携する機能を搭載する予定としている。攻殻機動隊 REALIZE PROJECTでは「動くタチコマ量産化プロジェクト」と表現しており、こちらはファン必携のコレクターズアイテムとしての登場が期待できそうだ。
ITmedia Virtual EXPOからのお知らせ
2016年2月11日に開催された攻殻機動隊 REALIZE PROJECT the AWARDにて行われる、神山健治監督、冲方丁氏らを招いた特別トークショー「攻殻シンポジウム」の模様を、同年2月16日から開幕する「ITmedia Virtual EXPO 2016 春」にて期間限定配信します。ぜひご覧ください。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 「攻殻機動隊」の世界をテクノロジーで実現する「攻殻ベンチャー」がついに誕生!?
「攻殻機動隊」で描かれているテクノロジーや世界観の実現を目指す「攻殻機動隊 REALIZE PROJECT」は、2029年の攻殻機動隊の世界につながる製品アイデアや企画などを募り、優秀なチームプロジェクトを選抜。2016年2月11日に開催される「攻殻機動隊 REALIZE PROJECT the AWARD」で各チームは最終発表を行い、共同開発や起業(攻殻ベンチャー)の道を目指す。 - 松村礼央氏に聞く「物語を再生する"装置"」としてのロボット、多脚ロボット研究開発プラットフォームの構想
コミュニケーションロボットの社会実装を考えたとき、一体、何が必要となるのだろうか。人と、人ではない機械とのコミュニケーションの形を探る。 - 「ロボットを板金で」神奈川の板金屋さんが多足ロボットを作るワケ
板金加工業を主業務とする海内工業が、多脚ロボット研究開発プラットフォーム「ダニエル61(仮)」を参考展示している。 - ヒト型ロボットは道具を超え「自分の鏡」に、ヴイストン大和社長に聞く
ロボットは道具の延長線上ではなく、心を持った「人間の相手」となる必要がある。ロボカップ連覇などの実績を持つヴイストンの大和社長は「ココロ」こそが、家庭用ロボットのカギだと語る。普及については「ここ3年が勝負」だ。 - 国際ロボット展が開幕、災害救助ロボやパワードスーツにも視線集まる
サービスロボットや装着型ロボットなど各種ロボットの展示される「国際ロボット展」が開幕した。産業用ロボットの展示が過半数を占めるが、災害救助ロボやパワードスーツにも注目されている。