Raspberry PiにAllJoynを移植して、IoTを自作する(6/10 ページ)
「いろいろなデバイスがシームレスにつながり、簡単に操作できる」――IoTが目指すその姿を、Raspberry Piと機器相互接続フレームワーク「Alljoyn」で自作してみましょう。
4.5 alljoyn-jsの導入
alljoyn-jsのビルドはAllSeenによる解説に従って進めるのですが、このページの手順通りだとコンパイルが通りません。幾つかのファイルを別の場所から持ってくる必要があります。また、必要とするバージョンのalljoyn-jsのソースは、Downloadのページにありませんので、以下手順にてダウンロードします。
git clone https://git.allseenalliance.org/gerrit/core/alljoyn-js.git git checkout RB15.04
こちらも先ほどのディレクトリ構成に合わせておきます。つまり、coreの下に、alljoyn-jsが来るようにします。coreの下で、gitコマンドを実行すれば良いはずです。
この状態でビルドするとさまざまなインクルードファイルが不足するのでこれらをbase_tcl(tcl用のbase)から持ってきます。若干古い情報ですが、それを参考に以下のファイルをダウンロードします。
git clone https://git.allseenalliance.org/gerrit/services/base_tcl.git git checkout RB15.04
を実行して、base_tclをダウンロードします。
base_tcl 下の config/inc、controlpanel/inc、notification/inc、onboarding/inc、services_common/incの下に、それぞれalljoynというディレクトリがあるので、それをalljoyn-js下にコピーします。
手順が大変ですので、今までのallseen以下のビルド済みのソースを全て固めたtar ballを用意しました。OSDNで「alljoyn」と検索してください、「alljoyn-raspber」が見つかるかと思います(約300MBありますので、ダウンロードの際は注意してください)。
準備ができたので、ビルドします。alljoyn-jsの下で、以下を実行します。
export DUK_TAPE=(duktapeをインストールしたディレクトリ) scons WS=off CPU=arm CROSS_COMPILE=/usr/bin/
これでオリジナルのalljoyn-jsをビルドできました。
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