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原価低減に欠かせない科学的アプローチを学ぶ【後編】実践! IE;磐石モノづくりの革新的原価低減手法(9)(5/5 ページ)

革新的な原価低減を推進していくための考え方や手法について解説する「磐石モノづくりの革新的原価低減手法」ですが、3回にわたり「原価低減推進のために必要な科学的アプローチの手法」についてお伝えしています。後編となる今回は「ワークサンプリング法(WS法)の基礎理論」と「人−機械分析表」について解説します。

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オペレータ1人で機械設備3台を多数台持ちする場合の分析事例

 人の作業内容と機械設備との時間的経過の関係を図示することにより、不稼働時間(待ち時間)を調査するとともに、それを最小化するための糸口を把握することが主たる目的ですが、主な用途は以下の通りです。

  1. 人と機械のどちらを優先して活用した方が有利かを決める。これは、とても重要な経営的な意思決定ではあるが、安易に扱われている場合が多い
  2. 人と機械の仕事連携が適切でなければ、お互いに作業待ちによる時間的ロスが発生する。あるいは、双方のスムーズな仕事の遂行を妨げる場合もある。その発生原因やロスの大きさを把握して改善に結び付けていく
  3. 1人のオペレータが1台の機械設備を操作している場合、監視時間などが多く有効動作はほんのわずかな時間である。このような場合、複数台の機械設備が操作できないかという多数台持ち化の検討を行う
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「人−機械分析表」による分析の事例(クリックで拡大)

◇     ◇     ◇     ◇

 今回は、「ワークサンプリング法(Work Sampling Method)」の原理と、「人−機械分析表(Man-machine Chart)」について説明しました。この二つの手法は、IE(Industrial Engineering)の中でも最も効果を発揮する分析手法です。積極的に活用して、改善活動に役立てて頂きたいと思います。

 特に、「ワークサンプリング法」についての基礎理論を理解することで、人や機械設備の効率のみならずその活用範囲を広げ、多くの領域で成果を上げることができます。

筆者紹介

MIC綜合事務所 所長
福田 祐二(ふくた ゆうじ)

日立製作所にて、高効率生産ラインの構築やJIT生産システム構築、新製品立ち上げに従事。退職後、MIC綜合事務所を設立。部品加工、装置組み立て、金属材料メーカーなどの経営管理、生産革新、人材育成、JIT生産システムなどのコンサルティング、および日本IE協会、神奈川県産業技術交流協会、県内外の企業において管理者研修講師、技術者研修講師などで活躍中。日本生産管理学会員。




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