原価低減に欠かせない科学的アプローチを学ぶ【後編】:実践! IE;磐石モノづくりの革新的原価低減手法(9)(4/5 ページ)
革新的な原価低減を推進していくための考え方や手法について解説する「磐石モノづくりの革新的原価低減手法」ですが、3回にわたり「原価低減推進のために必要な科学的アプローチの手法」についてお伝えしています。後編となる今回は「ワークサンプリング法(WS法)の基礎理論」と「人−機械分析表」について解説します。
「人-機械分析表(Man and Machine Chart)」とは?
「ワークサンプリング法」と同じく、効果的な科学的手法として活用頻度の多い「人−機械分析表(Man-machine Chart)」についても説明していきたいと思います。
「人−機械分析表」は、機械設備の多数台持ちの効率について分析し、改善点を見いだしてさらに機械設備の稼働効率の向上を目指していくための効果的な手法です。しかし、多くの企業では機械設備の多数台持ちは、思い付きにより不安を抱えながら実施されているのが実情です。
例えば「もっと良い作業方法があるのではないだろうか」とか「機械設備の持ち台数をもう1台増やすことはできないか」「オペレータをあと1人加えたときの効率はどうなるか」などです。「人−機械分析表」は、このような問題について最適解を得ることができます。これを機会に、「人−機械分析表」を活用して、人と設備の稼働効率の向上を図って頂きたいと思います。
「人−機械分析表」は、機械設備を使用する作業で、作業者と機械設備の間の時間的経過の関連性を分析して、作業者の手待ち時間(機械干渉時間)および機械設備の待ち時間(人間干渉時間)を解析する手法です。機械設備または作業者が手待ちになる状態の分析手法でもあることから「干渉分析」といわれることもあります。作業者と機械設備の関連した作業に関する時間的な動きを分析し、これを図表化したものです。
分析のポイント
「人−機械分析表」は、機械設備の稼働状態と、オペレータの作業手順との時間的関係を関連させて記録し、図表化することによって、それぞれの待ち時間を調査・改善する手法ですが、分析のポイントは以下の通りです。
- 最低、1サイクルが完了するまで作成する(1サイクルは、作業者と設備の関係が、最初の状態と同じ状態になるまでのことです。場合によっては、数十サイクルの分析が必要になることもあります)
- 時間の軸が明確になるように作成する
- 記号は、以下を用いる
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