作業員の健康状態を測るスマートヘルメット、脳波から危険を察知:ウェアラブルEXPO(2/2 ページ)
AgXとスターライト工業は「第2回 ウェアラブルEXPO」において、装着者の生体情報を取得できる「スマートヘルメット」を参考出展した。物流や製造現場などでの利用を想定した製品で、作業員の健康状態などをスマートフォン上から確認できるという。
製品開発に必要な要素を全て提供
AgXは提携企業に対してAGpossだけでなく、「AgXプラットフォーム」としてセンシングデバイス、トランスミッター、クラウドシステム、データ解析エンジンなどのウェアラブル製品の開発とそれに伴うサービス提供に必要な要素を全てまとめて提供している。
クラウドシステムはAgXが自社開発を進めているが、他の部分については提携他社の製品や技術を利用できる体制になっているという。AgXプラットフォームがハブとなり、ウェアラブル製品を開発したい企業と、それらに必要な製品や技術を持つ企業をつなげていく仕組みだ。
展示したスマートヘルメットは、AgXプラットフォームを利用した最初の製品となる。まだ開発を始めてから約2カ月の状態で、2016年2月頃から実際の倉庫に実証的に導入し、さらに開発・検証を進めていくという。実用化は「早くて2017年の上旬ごろ」(ブース担当者)の予定だ。
「AgXプラットフォームを利用した製品開発では、開発のスピード感を重視している。他社と提携してウェアラブル製品の開発に必要な要素をワンストップで提供することで、市場投入までの期間を短縮していきたい。また、現在市場にでているウェアラブル製品は多機能である分、比較的高額であることが多い。われわれは実証を進めながら、“本当にユーザーが欲しい機能”をしっかりと見極め、搭載機能などを絞り込んでいくことで、普及しやすい価格にしたいと考えている」(AgX 代表取締役 徳山竜喜氏)
スターライト工業の他にも、AgXプラットフォームを利用してウェアラブル市場に参入したいという企業からの問い合わせが複数あるという。現在、第2弾製品の企画も進行しており、こちらはエンターテインメント分野向けになるとしている。
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