メガネ型ウェアラブル端末、本命は見えたか(2/2 ページ)
近未来感の漂うメガネ型ウェアラブル端末だが、B2B向けを中心に実用化が進んでおり、その認識は近い内に過去のものとなりそうだ。
ARと組み合わせて作業効率向上
B2B向け製品の紹介が主であるウェアラブルEXPOで目立ったのはこれら単眼式のメガネ型ウェアラブル端末だ。単眼式は両眼式に比べて軽量にできるため、作業者の負荷軽減が欠かせないB2B領域で広く支持されているといえるが、両眼式で作業効率を高めようというアプローチも見られる。
サン電子の両眼式メガネ型ウェアラブル端末「AceReal」は視野内に仮想の3D映像を重ねて投影でき、また、メガネに搭載するステレオカメラによって視野内の空間や物体を認識する機能を持つ。対象物の認識機能を持つことで、マーカーやバーコードを対象に張り付けることなく、「部品Aが眼前あれば認識して、作業Bの手順やマニュアルを3D映像で表示する」といった作業フローを実現可能だ。
ステレオカメラによる物体認識はパターンマッチングによって行われるため、ソフトウェア変更により、さまざまな作業に対応できる柔軟性も特徴。物体認識は2016年夏の完成を目標に開発が進められており、導入先に応じ、ハードウェア部分を含めたさまざまなカスタマイズにも対応する予定としている。
“ディスプレイ”は網膜
QDレーザが展示していたのは、網膜に直接レーザーを照射して描画することで、ユーザーに映像の提示を行うメガネ型ウェアラブル端末。端末に搭載するカメラの映像を網膜に直接投影し、網膜や角膜が傷ついた重い視覚障害の目となることが期待されている。
フレームに搭載した超小型のレーザプロジェクタから発せられた光がMEMSミラーと反射鏡を経ることで細い光となって網膜に投影される。網膜を投影の対象とするため、ピント合わせの必要はない。現在は医療機器としての申請を行っているさなかであり、市販化に際しては駆動用ユニットの改良を進め、バッテリーで8時間の駆動を目指すとしている。
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