ニュース
デンソーが人工知能技術を強化、画像処理ベンチャーのモルフォと提携:自動運転技術
デンソーは、スマートフォン内蔵カメラ向けなどに画像処理ソフトウェアを提供するベンチャー企業のモルフォと提携する。画像処理技術と、人工知能関連技術として注目されているディープラーニングを使った画像認識技術の共同開発を進める計画だ。
デンソーは2015年12月11日、スマートフォン内蔵カメラ向けなどに画像処理ソフトウェアを提供するベンチャー企業のモルフォと提携すると発表した。画像処理技術と、人工知能関連技術として注目されているディープラーニングを使った画像認識技術の共同開発を進める。
両社の信頼関係を構築し、協業を確実に進めるため、第三者割当増資によってデンソーがモルフォの発行する株式を取得する。取得する株式数は26万1800株で、デンソーの持ち株比率は5%となる。モルフォ社長の平賀督基氏に次ぐ第2位の大株主となり、これまで第3位だったNTTドコモの3.44%(増資後の比率)を上回ることになる。
今回のデンソーの株式取得金額は約12億円。モルフォは取得した資金の使途を示しており、12億円のうち9億5000万円は車載機器向け応用技術の研究開発投資となっている(使用期間は2016年1月〜2020年12月)。
モルフォは研究内容について、「人や障害物の認識が可能な画像認識技術および写真ビデオ撮影における手ブレ補正などの画像処理技術を車載機器に応用するもので、主なものとして人間の脳の構造を模して機械に情報を学習させる技術であるディープラーニングを利用した新しい画像認識技術を使い、自動車のドアミラーやバックミラーを車載カメラの映像で代替させる電子ミラーの開発などを想定」としている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- デンソーが自動運転の公道試験を開始、愛知県の交通事故抑止プロジェクトで
デンソーは2014年6月下旬から、高度運転支援技術の開発に向けた公道走行試験を、愛知県の南知多道路で開始した。安全運転の支援とドライバーの運転負荷軽減を目的にしており、単一レーン内の自動運転や自動レーンチェンジなどを実施するという。 - 自動運転の決め手は準天頂衛星? 測位精度±10cmでEVの無線充電も自動化
デンソーは、「第20回ITS世界会議東京2013」において、自動駐車や自動充電を可能にする自動運転技術を披露した。準天頂衛星を用いたGPS信号による高精度測位が重要な役割を果たしている。 - トヨタ自動車が人工知能研究で米国2大学と連携、DARPAのプラット氏もスカウト
トヨタ自動車は、マサチューセッツ工科大学、スタンフォード大学と人工知能に関する研究で連携していくことで合意。今後5年間で、両大学に対して合計約5000万米ドルを投資し連携研究センターを設立する。DARPAの災害救助ロボットコンテスト「ロボティクスチャンレジ」の担当者を務めたギル・プラット氏を招いたことも明らかにした。 - トヨタがシリコンバレー進出、人工知能開発拠点の新会社を設立
トヨタが人工知能技術の研究開発拠点として、新会社「TOYOTA RESEARCH INSTITUTE(TRI)」を2016年1月に米カリフォルニア州に設立する。 - トヨタの自動運転技術は「全ての人の安全かつスムースで自由な移動のため」
トヨタ自動車は東京都内で安全技術説明会を開催。「全ての人が、安全、スムース、自由に移動できる社会を実現するために、自動運転技術の開発を着実に進めている」ことを明言した。自動車専用道路向け自動運転技術の実験車両も披露。試乗の様子を動画で紹介する。