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組み込み機器に「Windows 10 IoT」を導入するメリットは何かWindows 10 IoT インタビュー(2/2 ページ)

組み込み機器においても製品をサービスの一部として機能させる、いわばIoT的な思想は徐々に広まっており、ネットワークやセキュリティなどIT技術の重要度は高まっている。マイクロソフト「Windows 10 IoT」は組み込み機器に何をもたらすのか、話を聞いた。

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「Windowsだから」のメリット

米MicrosoftのIoTテクニカルセールス担当ゼネラルマネージャーのカール・コーケン氏
米MicrosoftのIoTテクニカルセールス担当ゼネラルマネージャーのカール・コーケン氏

 IoTの本格化に伴い、デバイスに搭載するOSの競争も激化している。そうした中でWindows 10 IoTを選ぶ理由とは何か。コーケン氏は、「Windowsは共通のプラットフォームであり、例えばPOSならば携帯型でも固定型でも、バックエンドのPCの管理システムも、全て同じアプリケーションで対応できることがメリット。ドライバも同様に単一で対応できるため、投資を最大化できる」とアピールする。

 それに加えて「特に強調したい」とコーケン氏が話すのがセキュリティだ。プラットフォームがWindowsになることで、セキュリティ機能、ロックダウン機能、暗号化といった機能が利用でき、「使ううえでの安心レベルが上がる」とコーケン氏。さらにアップデートやパッチの配信についてWindowsの技術を使える点も強みだとしている。

 IoTにおいては、クラウドサービスとの連携も重要な要素だ。Microsoftでは、そのためにAzure IoTを用意している。コーケン氏はそのメリットとして、「IaaS(Infrastructure as a Service)やPaaS(Platform as a Service)だけでなく、幅広い機能が提供できる点」を挙げる。例えばアナリティクスサービスは、他社のサービスと比べても「はるかに広く、はるかに深い」(コーケン氏)ものを提供できているとアピールする。

 さらに、データセンターはその顧客のいる地域にあることが非常に大事だとコーケン氏は強調する。Microsoftは、日本に2カ所のデータセンターを有するほか、「外国企業としては唯一中国にデータセンターがある」(同)。欧州にも複数のセンターを構え、「ほかのどの企業よりも多いデータセンターを所有しており、ほかの企業がまねできないレベル」という。

 そして、WindowsプラットフォームがWindows 10 IoTによってサーバから組み込みまで共通化されたことで、クラウドを含めて同じ技術、同じツールを使ってサービスを提供できるという点も「ユニークな特徴」として紹介する。

 とはいえ、企業側がクラウドでAzure以外のサービスを利用したいという要望があった場合は「もちろん対応する」とコーケン氏。「プラットフォームはオープンであり、どんなクラウドサービスでも利用できる」(同)。

 Azure IoTを含めたWindows 10 IoTのメリットは、Windows 10環境の拡大も鍵を握っている。Microsoftは積極的なWindows 10移行策を展開しており、コーケン氏も「以前のバージョンよりも普及は速い」と話す。Windows 8でもUWPアプリは動作するほか、Windows 10 IoT EnterpriseであればWin32アプリも利用できるため、Win32からUWPへの移行する段階もサポートできる、としている。

 こうしたメリットを中心に開発者や顧客へのアピールを行うことで、同社ではWindows 10 IoTの利用を推進していきたい考えだ。

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