「Windowsだから」を組み込みにも、空を飛ぶIoT Core
「Windows 10 IoT」を推進するマイクロソフトは、拡大が見込まれるIoT市場にWindowsとAzureの組み合わせを“Better together”として訴求する。
日本マイクロソフトは2015年11月17日、「Windows 10 IoT」に関する記者説明会を開催した。拡大が見込まれるIoT市場にWindowsとAzureの組み合わせを“Better together”として訴求したい考えだ。
同社組み込み製品向けOS「Windows Embedded」シリーズは2015年夏のWindows 10投入に合わせて「Windows 10 IoT」シリーズへと一新され、「Windows 10 IoT Enterprise」「Windows 10 IoT Mobile Enterprise」「Windows 10 IoT Core/Core Pro」の3エディション4製品として提供される。
これらを含めたWindows 10シリーズのソフトウェア開発については「ユニバーサルWindowsプラットフォーム」(UWP)が導入されており、1つのソースコードから作った実行ファイル(アプリ)と、デバイスドライバがWindows 10の複数種デバイスで動作する。また、UWPアプリからはGPIOやI2C、SPIといった標準バスを通じたデバイス制御が可能となっており、センサーや各種コントローラ、周辺機器の操作がUWPアプリから可能となっているのも特徴だ。
Windows 10 IoTはミニマムなハードウェア構成でも256Mバイトのメインメモリと2Gバイトのストレージを必要とし、これより少ないリソースしか持たないMCUなどはWindows 10 の範囲外となる。しかし、搭載OSを問わずに接続とデータ分析が行えるクラウド「Azure IoT Suite」とAzure対応のハードウェアを認証するプログラムである「Microsoft Azure Certified for IoT」を開始することによって、幅広いIoT製品をカバーする。なお、Microsoft Azure Certified for IoT認証済み製品としては2015年9月29日現在、Raspberry Pi2やMinnowboard Max、Freescale FRDM K64、Intel Edisonなどが挙げられている。
「IoTにおけるマイクロソフトが提供する価値とは何か。IoTにフォーカスしたWindows製品の提供と、AzureによるOSを問わないサービス提供、この2つが私たちが提供する価値だ」(米Microsoft ゼネラルマネージャー IoTデバイス エクスペリエンス セールス&マーケティング担当 ロドニー・クラーク氏)
3エディションが用意されるWindows 10 IoTだが、いずれもOSのコア、ドライバ、管理ツールは共通。「Windows 10 IoT Enterprise」は高いロバスト性が求められるキオスク端末や医療機器、FA機器向け、Win32アプリがサポートされない「Windows 10 IoT Mobile Enterprise」はPOSや小型業務端末向け、「Windows 10 IoT Core/Core Pro」はx86/ARMいずれのアーキテクチャにも対応し、シェルを持たないことからHMIやスマートホームなどの用途に向ける。
「UWP導入による高い投資対効果の実現、クラウドとの親和性、既存ITインフラ/ツール/プロセスとの統合、AllJoynなど業界標準プロトコル対応による相互運用性、エンタープライズレベルのセキュリティ、“Windowsだから”これらを全て実現できる」(米Microsoft ゼネラルマネージャー IoTテクニカルセールス担当 カール・コーケン氏)
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