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“人との協調ロボット”を突破口に、ロボット活用の場拡大を狙うKUKA産業用ロボット(2/2 ページ)

インダストリー4.0など製造革新の動きが進む中、製造現場で人の存在は必要なくなるのか――。こうした動きの一方で今、注目を集めているのが「人と協調して働けるロボット」である。KUKAロボティクスジャパンでは、人との協調ロボットを基軸に日本市場での産業用ロボットの新たな活用を訴えている。

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“人との協調ロボット”で製造現場の新たな姿を訴求

MONOist 日本市場での現状を教えてください。

星野氏 日本への進出は、2007年で大手の産業用ロボットメーカーとしては最後発に近い。既に市場ができている中での進出であったので、製造現場における主流になるのは難しいと考え、より特徴の発揮できるニッチ市場で存在感を示すことを目的に取り組みを進めてきた。

 当社の産業用ロボットの特徴は、精度にある。そのため金属加工や機械加工、レーザー造形など、精度が求められる市場ではある程度導入が進んでいる。また医療関連やエンターテイメント関連でも使われている。

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KUKAロボティクスジャパン代表取締役社長の星野泰宏氏

MONOist “人との協調ロボット”への取り組みについてどう考えていますか。

星野氏 自社の強みが発揮できる既存市場においても毎年20〜30%の成長率で伸びているが、新たな市場を切り開く存在として期待しているのが“人との協調ロボット”だ。当社は既に「LBR iiwa」を海外で展開しており、先行事例なども持っている。まずは、こういうロボットが存在しているということを知ってもらい、製造プロセスを改善するアイデアを呼び込む材料となるようにしていきたい。

MONOist 人とロボットが協調して働けるようになれば、製造現場にどういう効果があると考えますか。

星野氏 例えば、人とロボットが一緒の空間で働けることで、人が負担になるような作業をロボットが行い、ロボットが苦手な作業を人が行うというような使い方ができる。また、熟練の技術者の手法や動きをロボットに教えるというようなことが、従来以上にやりやすくなるなど、技能伝承の領域でも効果を発揮する。人がやるべき作業とロボットがやるべき作業を切り分けて再構築することで、製造プロセスの抜本的な改善にもつながるかもしれない。

 また、これらで構築したプロセスを海外など複数の工場に横展開しやすくなるということなどもメリットになるだろう。製造プロセスの改善には、こうした新しいアイデアや発想をまず生み出していくことが重要だ。使い方なども含めて一部コンサルテーションのようなことにも取り組んでいきたいと考えている。

インダストリー4.0も視野に

MONOist KUKAはドイツではインダストリー4.0の中核企業でもありますが、こうした産業用ロボットもインダストリー4.0の動きなどが反映されているのですか。

星野氏 ドイツ本社はインダストリー4.0の中核でさまざまな研究開発を進めている。これらが実際の形になって来るのはまだ先の話だが、一部でこうした将来を見据えた機能などは徐々に搭載されてきている。例えば、LBR iiwaのプログラミング言語はJavaとなっている。これはネットワークや他のシステムとの連携をしやすくすることを意識しているからだ。こうした将来の製造現場の姿を示しつつ、日本市場においても新たな付加価値を示し、生産現場の高度化に取り組んでいく。

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