「レクサスGS F」のエンジン音と排気音、ドライバーを前後から包み込む響きに:車両デザイン
トヨタ自動車は、高級車ブランド・レクサスの新型車となる4ドアスポーツセダン「GS F」を発表した。前後2スピーカーを使う「ASC」により、「エンジン音に加えて排気音も力強くリニアなサウンドに補正し、ドライバーを前後から包み込むような響きを奏でる」(同社)という。
トヨタ自動車は2015年11月25日、高級車ブランド・レクサスの新型車となる4ドアスポーツセダン「GS F」を発表した。「日常からサーキットまで、誰もがシームレスに走りを楽しめる」(同社)というレクサススポーツ「F」モデルの展開をさらに広げる車両で、同日にマイナーチェンジした「GS」をベース車両としている。税込み価格は1100万円で、月間販売目標台数は20台。
V8エンジン「2UR-GSE」はエンジン回転バランスを調整する専用工程を追加
レクサスのFモデルと言えば、2007年発売の「IS F」が中核モデルだったが、2014年5月に国内販売を終了。その後、同年10月にスポーツクーペの「RC F」がFモデルとして投入されたが、IS Fと同じスポーツセダンも求められていた。今回のGS Fの発売により、レクサスのFモデルはセダンとクーペがそろったことになる。
GS Fのパワートレインは、排気量5.0l(リットル)のV型8気筒エンジン「2UR-GSE」と8速ATの組み合わせで、これはRC Fと同じだ。最高出力は351kW(7100rpm)、最大トルクは530Nm(4800〜5600rpm)。ただし2UR-GSEについては、組み立て後に1基ずつエンジン回転バランスを調整する専用工程を追加しており、エンジン回転の滑らかさとレスポンスの良さをさらに進化させたとしている。JC08モード燃費は8.2km/lだ。
この他、走行状態に応じて後輪左右の駆動力を最適に電子制御する「TVD(Torque Vectoring Differential)」や、スポーツモード付きVDIM(Vehicle Dynamics Integrated Management)、上下加速度センサーを採用したABSなど、RC Fで好評の車両制御システムも採用している。
GS Fで新たに追加されたのが、前後2スピーカーを使う「ASC(アクティブサウンドコントロール)」だ。ASCは、原音と調整音によりドライバーに聞こえるエンジン音のサウンドメイキングを行うシステムだ。従来は、車室前方に設置された1個のスピーカーを使って調整音を加えていたが、GS FのASCでは、車室後方に新たに追加したスピーカーからも調整音を出力できるようになっている。これによって、「エンジン音に加えて排気音も力強くリニアなサウンドに補正し、ドライバーを前後から包み込むような響きを奏でる」(同社)という。
なおASCの動作は、走行モードが「SPORT S」のときにフロントの1スピーカーを、「SPORT S+」のときに前後の2スピーカーを使ってサウンドコントロールする仕様になっている。
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