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ホンダの風変わりなコンセプトカー「WANDERシリーズ」に込められたリアリティー自動運転技術(2/2 ページ)

ホンダの「東京モーターショー2015」で大きな存在感を示していたのが、“WANDER=自由に動き回る”をコンセプトにした「Honda WANDER STAND CONCEPT」と「Honda WANDER WALKER CONCEPT」だろう。デザインコンセプトの位置付けで市販予定車ではないが、強い思いとリアリティーが込められていた。

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高齢者はシニアカーや電動車いすに乗りたくない

 一方、WANDER WALKERは、外形寸法が全長1080×全幅540×全高1000mm、最高速度が時速6kmでというパーソナルモビリティだ。WANDER STANDがかなり将来を見据えたコンセプトカーになっているのに対して、商品化も可能な現実的なデザインと仕様になっている。

ホンダの「WANDER WALKER」
ホンダの「WANDER WALKER」(クリックで拡大)

 WANDER WALKERが意識しているのは、現在市販されているシニアカーや電動車いすなどの潜在ユーザーである高齢者だ。しかし「ほとんどの高齢者は、シニアカーや電動車いすに乗りたいとは考えていない。理由は単純で、高齢者のための乗りものであり、かっこよくないからだ。歩行困難になって乗らなければならなくない状態でも、できれば乗りたくないという意見が多い」(開発担当者)という。

 そこでまずWANDER WALKERは、木製の部材を使うなど質感にこだわるとともに、歩行者と同じように屋外と屋内を自在に行き来できることを心掛けた。まず540mmという全幅は、通常の自動改札機もそのまま通れることを目的とした仕様だ。従来のシニアカーや電動車いすは全幅が600mm前後あり、通常の自動改札機は通れなかった。

 また、従来のシニアカーは最小回転半径が1.5mほどあり、広い通路でなければ方向転換できない。WANDER WALKERは、方向転換時に前輪を真横配置にすることで最小回転半径を1mにまで縮めている。

前輪を真横配置にすることで最小回転半径を1mに縮めたタブレット端末がキーになっており、専用ナビゲーションやインタフェースを装備している 前輪を真横配置にすることで最小回転半径を1mに縮めた(左)。タブレット端末がキーになっており、専用ナビゲーションやインタフェースを装備している(右)(クリックで拡大) 出典:ホンダ

 開発担当者は「シニアカーに必ず付いている、荷物用のかごも付けたくなかった。そこで、座席の下を収納スペースにした。若者でもかっこいいと思って使えるような車両に仕上げたつもりだ」と述べている。

座席の下が収納スペースになっている
座席の下が収納スペースになっている(クリックで拡大)

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