検索
ニュース

トヨタ日産ホンダマツダ三菱自――5社トップが語る「未来のモビリティ」東京モーターショー2015(1/2 ページ)

「東京モーターショー2015」のプレス向けイベントで、日本の自動車メーカー5社のトップが対談した。「自動運転」や「これからのエンジン」について各社の考え方を説明した他、東京モーターショーの来場者に向けてのメッセージも語った。

Share
Tweet
LINE
Hatena

 2015年10月29日、「東京モーターショー2015」(一般公開日:2015年10月30日〜11月8日、東京ビッグサイト)のプレス向けイベント「Mobilityscape Tokyo 2015」で日本を代表する自動車メーカー5社のトップが未来のモビリティについて議論した。

 登壇したのは、日本自動車工業会会長でホンダ会長の池史彦氏、トヨタ自動車社長の豊田章男氏、日産自動車CCO(チーフ・コンペティティブ・オフィサー)兼副会長の西川廣人氏、マツダ社長の小飼雅道氏、三菱自動車社長兼COOの相川哲郎氏、の5人。ファシリテーターはフリーアナウンサーの久保純子氏が務めた。

自動車メーカートップ5人が集った「Mobilityscape Tokyo 2015」の様子
自動車メーカートップ5人が集った「Mobilityscape Tokyo 2015」の様子(クリックで拡大)

トップ5人が考える「自動運転」「これからのエンジン」

 イベントはツイッターのハッシュタグ「#44mstQ」へ寄せられた質問に答えていく、という形式で進められた。特に多かったのは自動運転や、これからのエンジンなど「未来のモビリティ」に関する質問だ。質問と各社トップの意見を紹介したい。

「自動運転」について

小飼氏(マツダ) 事故を減らす「安全」という観点から、自動運転は外せないものです。非常に優れた技術で、“物流改善”や“渋滞改善”といった夢もある。しかし、それでも「運転をしたい」というお客さまには運転を楽しんで頂けるようにしたい。何かあった時は自動運転が作動するなど、そうしたバランスが必要なのではないかと考えています」。

西川氏(日産) 自動車は産業技術で作られた「芸術品」であると思っています。楽しくて、快適で、便利で。しかし多くの人が使うと、その分事故や渋滞などといった「社会的コスト」も大きくなります。われわれのミッションは、そうしたロスをいかに減らせるかということ。信頼ある技術競争を確率するということです。自動運転についても、競争はしつつも、ルール作りなどでは協調して折り合いをつけながら進めるべきだと考えています。

マツダが東京モーターショー2015で発表したスポーツカー「RX-VISION」日産が東京モーターショー2015で発表したコンセプトEV「Nissan IDS Concept」 東京モーターショー2015でマツダが発表したスポーツカー「RX-VISION」(左)と日産が発表したコンセプトEV「Nissan IDS Concept」(右)(クリックで拡大)

池氏(ホンダ) 私は“自動運転”と“無人運転”は別だと思っています。自動車メーカーのエゴかもしれないけれど、最後は運転や移動をする喜びなどを感じる人間が主体になるはずだと。なので、あくまで事故を減らす、ドライバーの不注意を未然に防ぐなど、“補助的なところ”から自動運転ははじめるべきだと考えています。グーグルなどが取り組む姿勢も、1つの考え方かもしれませんが、社会のルール作りが十分にされない限りは急に達成することはできないと考えています。技術は進化していますが、その先にある社会性を世界中で議論する必要があります。

豊田氏 自動運転は「クルマが自動運転のための全ての機能を持つ」と思われがちですが、クルマは人・バイクなどが混在する「道」を走っています。クルマ自体も、メーカーによって機能が違う。そうした中で、インフラ(道など)とクルマ、クルマとクルマ、そしてもちろんクルマ本体の技術革新と、それぞれどうバランスをとっていくかということが重要です。日本はよく「愛車」と言いますが、工業製品の中で前に「愛」をつけて呼ばれるのはクルマだけ。100年後もクルマの前に「愛」がついているように、皆さんの意見を聞きながら進めていきたいと考えています。

ホンダが東京モーターショー2015で発表した新型FCV「クラリティ」トヨタが東京モーターショー2015発表したスポーツコンセプト「S-FR」 東京モーターショー2015でホンダが発表した新型FCV「クラリティ」(左)とトヨタが発表したスポーツコンセプト「S-FR」(右)(クリックで拡大)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

       | 次のページへ
ページトップに戻る